トップシーズン、ちょっといいコースに行くと、「今日のグリーン結構速いな…」と感じることはありませんか?そんなコースでのラウンドが続けば問題ないのですが、前回のラウンドが重いグリーンや高麗芝だった場合、タッチがなかなか合わずかなり苦戦を強いられます。
そこで今回は突然、高速グリーンに出くわしても1ホール目からタッチの合う方法をご紹介します。
ゴルフ日和のグリーンはなぜ”速い”のか
絶好のゴルフ日和になる春先と秋、ベント芝のグリーンは1年でも最も速くなります。それはこの時期の芝の生育が良い状態だから。気温が高くもなく低くもなく、散水やグリーンを固めるのに向いた時期です。気温の低い冬だと撒いた水が凍ってしまったり、日照時間が短く生育が悪いので芝を刈りこんだりする整備には向いていません。
気温の高い夏でも、撒いた水が高温になって根を腐らせたり、暑さで芝が枯れてしまったりします。
グリーンはどうして速くなるのか
芝の生育が良いこの時期、整備をするグリーンキーパーは、多くの場合、毎日芝を短く刈りこみます。短いコースでは芝の長さ(刈り高)を3.5mmに設定します。トーナメントコースやコースメンテナンスを売りに集客をしているコースはさらにグリーンを速くするため、刈りこみの方向を変えて2回芝を刈ることも。これを”ダブルカット”などと呼んだりします。
刈りこみは芝刈り機で行うため、1回だとどうしても”刈りこぼし”が発生しますが、ダブルカットをすることによって、より刈り高を均一に近づけ、転がりが良くなるようにするのです。
さらにはローラーでグリーン面を押し固めることでも、グリーンは速くなります。固い木の板の上でボールを転がすのと、軟らかいこんにゃくの上で転がすのでは転がりの速さが異なりますが、これと同じ原理です。
“どのくらいの速さで転がるのか”スピードのイメージをする
こういった高速グリーンでタッチが合わない主な原因は、”転がるスピードをイメージできていない”ということが挙げられます。先述の通り速いグリーンに出くわすのは、1年でも限られた時期だけです。ですので、経験則として「これくらいの速さで転がる」というスピード感の基準を持つことが大変難しくなります。
そのスピード感を養うため、一度室内の床で転がしてみましょう。実際にパターで打つ必要はありません。フローリングや固い床材の上でボールを転がすことで、「結構止まらないんだな」という実感を持つことが大切です。現実的にはフローリングより速いグリーンはありません。下りのパッティングのときでも”床の上の転がり”を思い出してイメージすることで、タッチが強くなるのを防ぐことができます。
ライン読みは大げさに
ラインを読む際は、普段よりも傾斜を考慮するのがポイントです。高速グリーンでは転がりを抑えるため、タッチが弱くなります。タッチが弱いと当然ながらボールが転がるスピードは、いつもより遅くなるため、普段よりも芝目やグリーン上の傾斜の影響を受けやすくなり、曲がる幅もより大きくなります。
普段、強めのタッチでラインを消すように打っている人ほど注意が必要です。
スタート前の練習グリーンでは、最初に「こんなに切れるはずはない」というくらいオーバーにラインを読んで、少しずつアジャストしていきましょう。
つま先を上げるとタッチが安定する
高速グリーンでもっとも陥りやすいのが、オーバーを怖がってインパクトが緩んでしまうミスです。強めのタッチを嫌うあまり、インパクトで力を抜いて調整をしにいってしまいがち。このミスが出るとタッチどころか、フェース面の向きも安定しなくなり、方向性にまで影響が出ます。
それを避けるために、アドレスに入ったら靴の中で両足の親指を上げてみてください。これをフォロースルーまで上げっぱなしにします。そうすることで下半身が安定し、体全体に適度な締りが生まれるので、インパクトで緩むミスが出にくくなります。