ゴルフ界には昔から「Drive is show. Putt is money.(ドライバーはショー、パットはお金)」という有名な言葉があります。パットの重要さを表現した言葉ですが、確かにいくらいいショットを連発しても、肝心のパットが入らなければプロの世界で生きて行くのは厳しいでしょうね。
因みに2015年日本ツアーの平均パット数の1位、男子は谷口徹プロの1.7295、女子はイ・ボミプロの1.7589。改めて数字を見るとトッププロがいかに凄いかがよく分かりますね。これがアマチュアゴルファーの場合はどうでしょう? 実際に統計を取った数字は不明ですが、例えば1ホール2パットとして18ホールなら36パット。平均的なアベレージゴルファーなら良い数字と言えますね。
先日あるゴルフスクールに通うハンディキャップ20のゴルファーに、直近5ラウンドのスコアカードを見せて貰いましたが、パット数だけで言うとベストが37でワーストが43パット。ご本人はパットが苦手だと仰ってましたが、ハンディキャップを考えると平均的な数字だと言えますね。
アプローチ程度なら自宅で練習できる環境をお持ちの方もおられるでしょうが、ショットとなるとやはり練習場に通うしかないですね。しかしパットは自宅でも練習することは可能です。しかもパットはスコアメイクの鍵!スコアアップを目指すアベレージゴルファーなら、自宅での練習をおろそかにはできません。
そうかと言ってやみくもにパターマットの上で、パッティングを繰り返せば上達するのかと言えばそうではありません。例え自宅でもやはり効果的な練習をしなければ上達は望めめません。そこですぐにでも自宅で始められる効果的な練習法を3つご紹介します。ただし!これを実践すれば素早く短期間で飛躍的に上手くなるというものではありません。
どんなに効果的な練習法も成果が表れるまでにはある程度時間が掛かります。諦めず毎日少しでもコツコツと続けましょう。ゴルフに限らすスポーツの上達は「コツコツやるのがコツ!」これが大切です。
パワーボールで”使う筋肉”を意識する
ひとつめは野球などで手首を鍛えるためのパワーボールを使った練習法です。これは野球の硬球タイプのものですね。ゴルフボールと同じデザインと形で重いボールもありますが、硬球タイプの大きなボール(硬式用トレーニングボール)の方がより筋肉を意識できます。練習法は至って簡単です。アドレスしていつもの位置にパワーボールを置きます。そしてパターを構えたら、そのままバックスイングは取らず真っ直ぐにボールを押し出す。これを繰り返すだけでOKです。
ポイントはパターを押し出す時、腹筋特に腹直筋を意識することです。人間は体の構造上、前傾姿勢を取るだけで腹筋に負荷が掛かります。負荷が掛かると意識しやすくなりますね。パッティングは体重移動せず下半身を安定させることが大切です。腹筋の可動域を意識することによって土台になる下半身が安定し、ストロークの正確性がアップします。
パッティングは肩甲骨を意識すると良いと言われますが、充分なトレーニングを重ね肩甲骨の可動域が柔らかくなっている方には効果的です。しかし、特別に肩甲骨のトレーニングをしていない方は、意識することによって逆に筋肉が硬くなり逆効果になる恐れがあるので要注意です。パッティングは”腹筋を意識する”を心がけて下さい。これでストロークは安定しますよ!
箱を使ってフェースの向きを確認する
真っ直ぐに引いて真っ直ぐに送り出す。パッティングの基本であり練習でも意識することですね。しかし一番肝心なのがインパクトでのフェースの向き!練習用のマットでボールを打つだけではそのフェースの向きが分かりづらいですね。そんな時に効果的なのが箱を使った練習法です。ティッシュやタバコやお菓子の空箱など、これを置いて普通に打ってみて下さい。
インパクトでフェースが左を向いていたり、ヒールの部分がヒットすると箱は左へ。逆にトゥの部分でヒットしたりフェースが右に向いていると右に飛び出します。
パターフェイスをスクエアに保つには効果がありますよ!
寸止め練習法
これは主に距離感を養う練習法ですが、時間に余裕のある休みの日などに集中して行いたい練習法です。絨毯やカーペットのある部屋である一定の距離から、壁に向かってパッティングし壁に当たる寸前で止まるように打つ練習です。これだけなら「聞いたことがあるぞ」とお思いでしょうが、この練習法はそこにひと味加えます。やり方は壁から5cmくらいのところに目印を置きます。細い紐状のようなものを敷いてもいいですね。
そしてパッティングをして5cm以内のゾーンに入ればプラス1、壁に当たったり5cm以上手前でボールが止まったらマイナス1とカウントします。
5cmゾーンに入る | +1 |
壁に当たる | -1 |
5cmゾーン手前 | -1 |
そして目標数値を設定しその数値を達成するまで、練習を続けるという少しゲーム的要素の入った練習法ですね。「いつもはプラス5だが今日はじっくりやりたいからプラス10にしてみよう」など、その時の調子や目標を変えながら練習したり、上達するにつれて目標数値を伸ばして行ってもいいですね。
この練習法は史上最強と言われているダーツ界のレジェンド、フィル・テイラーが行っている練習法をダーツからパッティングに変えたのですが、距離感を養えゲーム感覚でありながら、メンタルも強化できる一石二鳥の練習法です。
おわりに
どれも簡単で単純な練習法ですが、スポーツの上達に欠かせないのは単純な基本練習の反復にあります。退屈な練習をいかに継続できるか!やはりそれが上達の決め手ですね。諦めずに根気よく頑張りましょう!