40~50yのアプローチ、アマチュアゴルファーの大半は、ボールを上げてトントンツー…というイメージでアプローチショットを打つでしょう。しかし、テレビでプロのショットを見ていると、トーントントンキュキュっとボールが止まり見事ピンそば! というシーンをたくさん見ます。プロがアプローチショットでそのようなボールを多用するのは、もちろん理由があります。
スピンアプローチをする理由
・ボールは上げれば上げるだけ距離のコントロールが難しくなるから
・高く上げるショットは、その分大きくスイングしなければいけないため、インパクトの精度が落ちるから
・ボールを高く上げると空中でスピンがほどけてしまい、グリーンの落ちた場所の傾斜による影響でボールがどういう動きをするか計算しにくいから
つまり、低いスピンの効いたボールの方が…
・距離のコントロールがしやすい
・小さいトップで打てるので精度が上がる
・球が強いので傾斜の影響を受けにくい
ということですね。これだけの利点があるのですから、これはぜひとも挑戦したいショットです!
練習ではまず、20~30yのアプローチで低くスピンを利かせる打ち方の感じをつかむといいでしょう。いきなり50yのショットをしてしまうと、腕に余計な力が入ってただ上からガツンと叩くだけのショットになる可能性が高いからです。小さな振り幅から感覚を磨くことをオススメします。
低くスピンの効いたボールを打つためのコツ
低いボールを打つためにはボールを右足寄りに置くのが基本です。スタンスはオープンにしフェースをやや開いて構えます。ボールにできるだけ近づいて構えます。こうすることで、ヘッドをボールに対して鋭角に上から入れやすくなります。ボールから離れる方が、横から払う打ち方になりやすいのです。
通常のラインニングアプローチなら、右手首の角度を固定して打ち抜くでしょう。しかし、そうしてしまうとボールは十中八九浮いてしまいます。ヘッドを高い位置にぬくのではなくテイクバックでコックを十分に使い、フェース面でボールを押し込むようにしヘッドを低く走らせます。
手だけでガツンと叩かずに、腰と肩の回転を使ってフェースを返しながらボールをとらえます。ボールをヘッドで包み込むように低い位置にフォローを出すのです。左脇を締めてボールを包む、というイメージで振りぬきます。
ボールを包み込むようにヘッドを返す動きをすれば、ボールはそれだけフェース面にくっついている時間が長くなりますね。だから、スピンが利くんです。フェース面にボールが乗っている時間が長ければ長いほどスピンが利きます。逆にフェース面からボールがすぐに離れてしまう打ち方ではスピンは利きません。
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これは逆効果×
スピンをかけようとして上からボールを叩くだけの打ち方をする人を見ます。上から勢いよく叩きつけ、強くバックスピンをかけようとしているのです。しかし、これをする人は、スピンをかけるにはどれだけフェースにボールを長く乗せていられるかが勝負、という原則を知らないのでしょう。
上から強くボールを切って縦回転をつけたいのでしょうが、ボールは勢いよく飛び出すだけでスピンはかかりません。いわゆる、球離れが早い(フェースにボールが当たったらすぐに弾かれること)のです。ボールがグリーンに落ちたワンキック目で前へ行く力ばかりが働いて、スピンはかかりません。
うまくいかないときは次のことを試してみよう
右足前にセットアップしたボールより、ボール2~3つ分前を見ます。そこにボールがあるつもりでスイングします。ボールは勝手に低くなります。
最後に
このショットはあくまでフェアウェイなどの芝が短いときに限ります。ラフではフェース面とボールとの間に芝が入るため、フェースにボールが乗り切らずスピンはかかりません。ラフにボールがあるときの止め方は、またの機会に。