コースに配置されているバンカーはフェアウェイショットを邪魔しようとするクロスバンカー、コースの両サイドに設置されているサイドバンカー、グリーンを守るように設置されているガードバンカー、このほかにも要所に蛸壺と呼ばれるアリソンバンカーや、砂のないグラスバンカーなどもあります。
バンカーショットはクラブの性能が5割、ショットの技術も5割で、クラブと技術がマッチングしないと上手く脱出することができないので、現状を把握することが重要になってきます。
バンカーはクラブの使い分けが重要!脱出するためのコツとは
コースのレイアウトに合わせて配置されているバンカーは、それぞれに違うショットが要求されます。
グリーン周りであればたっぷり砂の入ったバンカーと砂が少ないバンカー、距離が必要とするフェアウェイのクロスバンカー、それぞれの目的にあった打ち方をするためには、それに見合ったクラブを準備しておく必要があります。
・サンドウェッジはバンカー脱出のために作られたクラブ
バンカーと言えば無条件にサンドウェッジを選ぶかもしれません。
近代ゴルフが発祥してまもなく、バンカーショットに苦しんでいた名ゴルファーが、簡単に脱出できるクラブを作ったのがサンドウェッジの始まりと言われています。
当時の最小クラブはニブリック(9番アイアン)でしたから、その後のゴルフ界を考えると画期的な発明といえるかもしれません。
通常のアイアンと同じスイングすることで、バンカーから脱出できるのがサンドウェッジの良いところです。
後付でフェースを開く、オープンスタンスで構える、ヘッドを砂に打ち付けるなど難しい打ち方は生まれたようですが、もともと苦手な人用に作られたクラブですから、素直に使えば脱出できます。
・常に2種類のサンドウェッジを準備しておく
素直にスイングをしたら脱出できるはずが、上手くいかずにバンカーショットを繰り返す羽目になることがあります。
そんな不安があればクラブを見直してみると良いかもしれません。今のクラブ造りは、条件に合わせていろいろなタイプを用意しています。
フェースの角度やソールの形を変えていることで、操作する人の技量や目的に合わせて選べるようにしています。
たとえば砂がたっぷり入ったバンカーであれば、バンス角の大きなサンドウェッジを使い、砂が浅くてクリーンなヒットが必要なときはバンス角の小さなサンドウェッジが選べるように、常に2種類のサンドウェッジを準備しておくと簡単に脱出することができます。
・アイアンやウッドでもバンカーショットはできる
バンカーはグリーン周りだけにあるのではなく、1打目の着弾点にサイドバンカーやクロスバンカーが設置されています。
どちらのバンカーもボールの転がりを抑えるのが役目で、距離を抑制することで2打目のショットを難しくしようとしたものです。
ただ転がって入ったボールの位置によっては、出すだけしか方法がない場合もあるので、距離に対するリスクと脱出に対するリスク、2つを背負い込むことマリ得ます。
いわゆるフェアウェイバンカーは、フェアウェイウッドやロングアイアンで打つ場合もありますが、リスクを考えるとミドルアイアンで最低限の距離を確保したほうが良いかもしれません。
バンカーを制するには経験と努力が必要
コースのなかにはいろいろなタイプのバンカーが配置されていて、それらのすべてに同じものはありません。
常に新しいタイプのバンカーを体験することになりますが、経験を重ねると「応用」が利くようになるはずです。
以前に経験したバンカー処理を少しだけ変えるだけで、ターゲットに向けた糸口を見つけることができるかもしれません。
・軟らかくてふかふかした砂のバンカー
バンカーの砂は定期的に補充されますが、そのままだと入ったボールは目玉になってしまうので、散水して砂を締めて落ち着かせます。締まったとはいえ、この状態のバンカーに入ってしまうと脱出するだけでも大変です。
インパクト直前でヘッドが埋まって動きが鈍くなると脱出は不可能です。しかも1回目がダメなら2日目も3回目もだめになる可能性があります。
ピン方向を無視して、1番アゴが低くて安全なところに向けてフェースを開くことなくボールに打ち込みます。
ヘッドは砂のなかに埋まるかもしれませんが、フェースに当たったボールは飛び出してきます。
・平らな場所でスタンスがとれる砂の少ないバンカー
フェアウェイに設置されているバンカーや、グリーン周りのバンカーなど、コースのなかには必ずある砂の少ないバンカーで、ほぼ平らなところにボールがあります。
コース管理が使うバンカーを均す機械は、中心から外側に向けて円を描くので、中心部は砂が少なく、外側に少しだけ砂が残っている状態です。
中心部のイメージとしては、コンクリートの上に置いたボールをショットする感じです。
ボールをクリーンにヒットして、バンカーから脱出し、できれば正確な距離と方向でターゲットまで寄せたいところです。
そのためにはバンス角の小さなサンドウェッジで、スイングの最下点とボールの真下を一致させることに集中すると、クリーンなインパクトができるはずです。
・雨が降った日のバンカー
雨が降っていることでバンカーの砂は締まっていて、砂の上を歩いてもわずかに足跡がつくだけでシューズが埋まるようなことはない状態です。
でもわずかについた足跡には雨水が浮いて、ヘッドを打ち込むともの凄い抵抗を受けることが分かります。
しかもボールをよく見ると、転がったときについた砂が全面についていて、インパクトではフェースとボールの間に砂を噛むことが想像できます。
サンドウェッジかピッチングウェッジを短く握り、フォロースルーを考えずにボールに向かって打ち込みます。
ダウンブロー気味に当たったことで、反発したボールは飛び出していきます。あとはこの距離がどのくらになるのかは、練習場や実際に雨の日のゴルフでの経験を参考にするしかありません。
バンカーの上手い人はクラブの選び方が上手い【経験値がものを言う】
プレイベートゴルフのときは、18ホールすべてのバンカーが同じコンディションになっていることはありません。
ふんだんに砂の入ったバンカーがあれば、表面にぱらぱらと砂を撒いたようなバンカーもあります。
ミスショットをコースコンディションのせいにする人がいますが、砂の状態を確かめて対処できないゴルファーであれば、経験値が増えたと思って、次に向けて切り替えていくほうが良いかもしれません。
バンカーショットの上手い人は、自分のスイングに合ったクラブを選んで用意しています。
しかも状況に応じて使えるように、同じタイプでロフト角やバンス角の違うものを揃えておくと、通常通りのスイングで簡単に脱出することができるはずです。
まとめ
バンカーショッを常に一発で成功している人はいません。世界的なトーナメントでバンカーを大叩きしたことで、名前を遺したプロゴルファーもいるほどです。
そのときも理由はあったようですが、技量に関係なくまずは脱出することが重要だと言うことが分かります。
グリーンから脱出ができた上で、どのくらいターゲットに近づけたか、もしくは何打で上がることができたかを競うのがゴルフと言うスポーツです。
千差万別のバンカーですが、たくさんの経験をすることが、上達するための最大のコツとなることは間違いありません。