ゴルフは、メンタルが結果に大きく左右するスポーツだと言われます。逆にいえば、スコアメイクのカギはメンタルだということもできます。そのメンタルの強さ弱さがはっきり現れるのがミスをしたとき。ミスをしたときにどう対応するか。トラブルにどう対処するか。まさにこんなときにこそ、ゴルファーの真価が問われるのです(逆にいえば、へたれ度がわかります)。
とはいえ、われらアマチュアゴルファーは、ラウンド中にさまざまな場面で、無駄(・・)に(・)ショックを受けます。ミスをしたあとに、冷静さを失い、判断を誤り、難しい選択をする。
難しい選択(成功率の低いショット)は、プレッシャーがかかり、身体に力が入ります。そしてまたミスをする。こうしてミスを重なっていき、転がり落ちるように崩れていきます(もちろん、ヘタレなわたくしも同様です)。
今回は、そんなショックを受けるありがちな場面を検証し、その解決策を考えていきます。まずは、自分のミスにショックを受けてしまう場面。
たとえば、ティーショットで、ラフやフェアウェイバンカー、林の中に入ってしまう…こ~んなミスは当たり前のように起きますよね。ですが、そこでまず無駄にショックを受けます(なまじ練習している人のほうが過剰にショックを受けるような気がします…)。このショック、はっきり言って無駄なんですね。
さらに、そのティーショットのミスの結果、グリーンまで170~180ヤードのラフからのセカンドという状況が生まれます。この距離、厳しいラフからグリーンに乗せるのはなかなか難しいですよね。それなのに、「なんでこんなラフに~(ドライバーたくさん練習したのに~)」と冷静さを失い、普段からそれほどうまく打てない長めのクラブで、成功率の低いショットを選択してしまいます。
スコアメイクのことだけを考えれば、170~180ヤードをレイアップしてもいいのです。自分にとって成功率の低い距離を無理に打って、ガードバンカーや、寄せが難しいグリーン周りのラフにでもつかまったら目も当てられません。これこそミスを重ねる、ミスのミルフィーユ状態。スコアは奈落の底一直線なのです。
もともとプロでさえ、ティーショットのフェアウェイキープ率は約60%。この場合、アマチュアがミスにショックを受けること自体が問題(勘違い)なのです。ミスして嘆き節でぼやいている暇があれば冷静に対処法を考えることです。
ゴルフは、ミスが出る前提で、ミスを減らす、ミスを重ねない、そのためにどうするかを考えるスポーツですから。
さてもうひとつ。同組の人たちのプレーからショックを受ける場面。気心が知れた人でもそうでなくても、ショットの行方は気になってしまいます。
たとえば、自分はティーショットでナイスショット、同組の人は深いラフやフェアウェイバンカー。こんなときにはちょっと満足顔でセカンド位置まで行きます。でも、セカンドで今度は自分がミスショットし、グリーン横のバンカー。同組の人はナイスリカバリーでグリーンに乗せる。そうなるとまた無駄にショックです。
プレッシャーでバンカーから寄せきれず、無駄ショック大幅増幅!なわけです。そうこうしている間に同組の人は長いパットを寄せ、ツーパットでパー。結局、自分はボギーやダボとなり、次のホールでもその思いを引きづってしまう。そして、またズブズブと落ちていくわけです。
こんなことじゃあ、いつまでたってもスコアメイクできませんよね。ここで解決策。おなじみ”金言”の中部銀次郎先生の言葉をお借りします。
「心にショック吸収装置を備えていなければならない」
同組の人がラフからでもナイスオンするのは当然だとはじめから考える。その相手の結果がどうであれ、自分のショットに集中できる。自分のプレーを淡々とこなしていくことで、結果がついてくるそうです。実際に銀次郎先生もそう考えることで強くなったとか。
心のショック吸収装置というのは、自分のミスや同組の人のプレーに感情を左右されないということです。自分のショットの結果がどうとか、その相手のショットの結果がどうとか考えない。ミスは起こりうる。相手はいいショットを打つ。そうした前提でプレーすれば、冷静さを失うことも、妙なプレッシャーなどとも無縁の状態になるのです。
いかがですか。スコアメイクのために、あなたも心のショック吸収装置も備えてみませんか? そうすればミスのミルフィーユ状態から、きっと抜け出せます(というか、まずはわたくし、がんばります)。