プレー中に突然、またはたびたび起こる「何でこうなっちゃうの??」というアマチュアゴルファーの方が悩んでいる問題を解説していきます。
今回は、「トップが止まらない」です。
具体例や症状
調子が悪くなり、当たらなくなると、どうやってみてもトップしかしなくなる。
そんなゴルファーの声をよく聞きます。
トップは、曲がり幅は少ないので、OBやロストボールにはなりにくい。大きくスコアは崩さないのですが…
ゴルフのだいご味は、空高く打球を舞上げることでしょう。いくら、大ミスはしないからと言っても、ゴロゴロ転がってばかりでは、面白くありませんね。
トップにも、
1. ナイスショットに近いトップ
2. ハーフトップ
3. チョロと呼ばれるゴロ
に大別できます。
ここでは、主に3の“チョロやゴロと呼ばれる打球”について解説していきます。
こんな場面で出たら困る!
池越えのホールで
池を越そうと、本能的にボールを上げようとしてしまい、スイングがすくい上げ軌道になってしまう。
スイング軌道の最下点を過ぎてボールに当たることになるので、ボールの赤道より上でインパクトしてしまい、トップになってしまう。
逆に、その動きを警戒し過ぎて、ダフってしまうこともある。
トラブルからの脱出で
林からの脱出、ラフからも、ダフりを警戒し過ぎて、ボールの赤道より上でインパクトしてしまい、トップになってしまうケース。
意外な状況で逆光の場面で打った経験はあるでしょうか。
ボールの行方が見えなくなるのが、打つ前から予測できるので、どうしても早く顔が上がってしまい、伸び上がってトップしてしまう。
いずれも、結果が特に気になる状況でトップになる場合が多いですね。
なぜトップになっちゃうの?
原因や理由はいくつかありますが、代表的なのものを2つ挙げてみます。
顔が上がる
私はトップを直すレッスンの際に、
“水平目線”と“斜め目線”
というキーワードを使います。
インパクトからフォロースルーでは、できるだけ前傾姿勢をキープすることが大切です。前傾姿勢をキープできていたら、インパクト後の目標の視界は、“斜め目線”になっているはずです。
スイング軌道の最下点が安定し、ミート率も高まります。
斜め目線では、飛んでいく打球は見えにくいものです。他人の打球は、私たちは、ふつうの姿勢で見ているはずです。これは、“水平目線”と言えますね。
打った直後、気になって仕方ない打球は、本能的によく見たいものではないでしょうか。
だから、前傾姿勢のままの斜め目線を崩してしまい、水平目線で打球を追ってしまう。結果、起き上がりが早くなりトップになってしまいます。
振り遅れ
ひじや手首が固くなりすぎると、ダウンスイングからコックを適正にほどけません。
手元は、アドレスの位置に戻ってきても、クラブヘッドはまだ戻ってきていない状態です。つまり、クラブヘッドはまだボールより高い位置にあるわけです。もちろん、ボールの赤道よりも上に当たってしまいます。
この状態では、ほぼ確実にフェースは開いていますので、右にも飛んでしまうトップになります。
練習法・解決策
顔が上がる防止策
打つ前の目標を確認する際に、前傾姿勢をキープしながら、斜め目線で目標を確認しましょう。
直前に見た映像が記憶に残っているので、インパクト直後のボールを追う目線も、水平目線になりにくくなるでしょう。
振り遅れを直す
傾斜地のつま先下がりで、芝を刈り取るような素振りをしてみましょう。
膝をしっかり踏ん張るようになるので、一時的に伸び上がりが抑えられるでしょう。
2‐2.実際に打つボールの左右にボールを並べてみてください。
3つとも同時に打ってしまうイメージを持ってみましょう。
実際には3つ同時には打ちませんが、右側のボールから打つイメージを持つことで、クラブヘッドを早く地面に着地させられるようになります。
プレーでは、アドレスで、ボール1個分離して構えてみてください。
つまり、ダフらせるイメージを作ることで、トップの症状を中和するのです。
理解のポイント
前回のダフりで説明したように、スイング軌道の最下点をつかむこと。
ミスの反対の動作を繰り返して、“中和状態”にして次の1打に臨む。
ここでは、“ダフり”のイメージを持つことで、トップの症状を中和できる。
おわりに
プレッシャーを感じたり緊張すると、誰でも”アガってしまう”ことでしょう。
身体の内部の内臓などが上がるわけではありません。しかし、私たちは、
・ 体が浮いてしまう
・地に足が付いていない
・頭に血が昇っている
と、感覚的に”何か”が上がっていくことを実感します。
ゴルフスイングでは、体とともにインパクトでのクラブヘッドも浮いてしまい、トップしてしまいます。
そんなときは、昔から、
“お腹と内ももに力を込めろ”
と言われてきました。すると、
・地に足が付く
・腹が据わる
ようになり、”アガり”を抑えられるでしょう。
同時に、自分の重心が下がっていくイメージをしながら、息をゆっくり吐いていきましょう。緊張すると、声を出せ、というのは、息を吐くからに他なりません。
逆に、息を吸うと、体が浮いていく感じがして、ますます緊張してしまいます。