今の季節には関係ありませんが、2~3月はスギ花粉が舞う季節で、花粉症の人にはたいへんつらい時期となります。どうして日本にはこれほどスギの木が多いのか? 江戸時代から始まったスギの植林が原因です。
スギは建築素材として重宝される木です。特に戦後、国をいち早く復興させるには大量の建築素材が必要でした。だから、たくさんのスギの需要がありました。大量にスギの木を伐採し、復興のために建物をつくる。そして、建築素材として使いやすいスギをあちこちに植林し、将来の建築素材の枯渇に備えようとしました。
しかし、その後安価な外国産のスギの輸入が始まり、国内のスギは無用の長物と化し、国内にあるスギの需要は低迷しました。このようにして、日本の多くの山々は紅葉しない常緑広葉樹の”スギだらけ”になってしまいました。同じ色・姿のスギばかりでなく、ブナやケヤキのなどの広葉樹のある山こそが、秋になると私たちの目を楽しませてくれるのですが……。
その点、ゴルフコースは緑の芝ばかりでなく、池あり砂のバンカーありで多様性に満ちていますね(笑)。コース戦略において、とてもプレッシャーを与える存在ですが、そういったハザードがなければゴルフコースも何とも味気ないものになるでしょう。
バンカーのアゴからピンまでの距離が近いときのミス
ボールの飛び過ぎをおそれスイングがゆるみボールがバンカーから出ない。 “ゆるんで出ない”をこわがるために懸命に打ちこむも、やはり飛びすぎをおそれてフォローをとらないスイングになる。 ボールを飛ばさないようにとするあまり、テイクバックが極端に小さくなり砂を爆発させられない。
ピンが近ければインパクトでついつい力を抜いてしまうものです。やわらかく砂とともにボールを運ぶような打ち方ができればいいのですが、残念ながら、一般アマチュアがラウンドするゴルフ場ではそんなに質のいい砂が入ったバンカーなどまず見かけませんね(笑)。
そこで、アゴからピンまでの距離が近いバンカーショットを苦手とする人にぜひ試していただきたい打ち方があります。
距離をあえて落とすバンカーショット
まず、アドレスでは手首をやわらかくしハンドアップで構えます。クラブを吊っているような感覚でいいでしょう。グリッププレッシャーを少なくするようにしてください。ボールに対するセットアップでは、クラブフェースを開きます。
テイクバックはやわらかくしている手首を使ってください。手首を親指側にコックしながらアウトサイドに上げます。グリップの握りも力を入れてないので、「ブラン~」というイメージのテイクバックになります。左腕が地面に対して平行になるか、それ以上までクラブを上げても大丈夫です。
インパクトは、下半身や腰の回転を使うようなスイングをせずに、ヒョイと手首を使ってアウトサイドに上げたクラブを下に落とすようにします。このときに大切なのが、バンスを砂の表面に落とす感覚を持つことです。バンスを砂にあてることで砂の爆発が起こります。
フォローはとります。しかし、ヒョイ、ドスンと落としただけの惰性でフォローがあるくらいでいいと思います。振り子の感覚です。これがただのドスンだけだとボールはさすがに全く飛びません。ヒョイ、ブラン~、ドスン、またヒョイという感じでクラブを使ってみてください。ある程度振ってもボールは飛ばないはずです。
ハンドアップにしてクラブを吊ってグリッププレッシャーを少なくすればするほど、振ってもボールは飛びません。逆にボールを飛ばしたかったら、ハンドダウンにしてグリップをしっかり握るのです。現在、美しく紅葉し豊かな土壌をはぐくむブナの原生林は自然遺産に登録されている「白神山地」だけですが、人工物とはいえ、ゴルフコースには美しい光景がたくさんあります。それも”ハザード”というやっかいなものがあってくれるからですよ(笑)。バンカーショットを攻略し、コースを美しく見せてくれるバンカーへの苦手意識をなくしましょう。