ゴルフが紳士のスポーツだと言われるのは、紳士の娯楽だったからだとか、紳士たれという思いからだとか、諸説耳にします。 同時に、エチケットやマナーにもうるさいスポーツ。その理由は、レフェリーの立ち合いなしに行われるプレーが想定され、公平なプレー進行が個人のマナーによるところが多いからで、ゴルフ規則にある通りです。
では、本日のテーマにある、“初心者同士のラウンド、あえて破ろうマナーとルール”とは、いったいどういう意味?とお思いの方も多いことでしょう。
本日は、初心者のスムーズなラウンドのために、ぜひ参考にしていただきたいテーマでお届けします。
ゴルフ初心者への質問です
まずは、自称初心者の皆さん! 以下の5項目について、ご自身の考えをYESかNOでお答えください。何本かクラブを持ってボールを探しに行くのは、草丈が長めのラフをかき分けるためだ。コースでは、ボールを打とうとした時の空振りは、素振りとみなされるのでカウント不要だ。
“林越えを狙う打球はトラブルの元”という表示は、他の組との喧嘩に注意との意味だ。女子プロと聞くと、女子プロレスラーしか頭に浮かばない。 惜しいパッティングの「OK」は、「入ったことにしてOK」だと思っている。
一つでもYESと回答した自称初心者の方…あなたは初心者ではありません!残念ながら超・初心者、いや、ただの人。お願いですから、今の状態でのラウンドはお控え下さい。
ゴルフ初心者はどんな人?
早速ですが、ゴルフでいう”初心者“とは、どういった人を指すのでしょう。
日本で一番売れている国語辞典、新明解国語辞典・第七版によれば、「(専門の)知識や技術の習い始め」とあります。インターネット上のweblio類語辞典で”初心者”の類義語を検索してみると、駆け出し、新人、未熟者、半人前、坊や(!?)なんてのもありますが、今ひとつピンときません。
車の初心者はどうでしょう。初心者マークは「私は初心者です。ご迷惑をおかけします」という意味を持っています。周囲の運転者は、その標識を掲示している車両を”保護する義務”があり、単なる幅寄せ・割り込み・煽り運転などは禁止。もしこれを行えば違反点数が加算されます。
なるほどゴルフにこの考えを応用すれば、“初心者とはプレー進行にあたって、経験者(中級者以上)の保護下にてプレーすべき人”。これはしっくり来るのではありませんか。
そして、中級者が同伴しない、つまり初心者同士のラウンドがNG!と言われるのは、なんだかんだと理由はあっても、それが“スロープレーにつながるからダメ”というものがほとんどです。
“下手なのは仕方ない。下手なのにのんびりしていること”こそが罪だと。
アコーディアゴルフのうたい文句、”上手いより速いがカッコイイ”は、吉野家の”うまい、やすい、はやい”や丸大食品の”わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい”などと同様、納得のキャッチコピー。丸大食品風に言えば、初心者は“下手でもいい、さくさく回ってほしい”のです。
ということで、初心者・ベテラン双方のゴルファーのためになる、”あえて破ろう、マナーとルール”について、次章でご紹介いたします。
ティーインググラウンドにて
オナーが最初に打つ決まりではあるが、初心者同士、正直スコアは五十歩百歩。ティーやクラブの準備に手間取るようなら、せっかくのオナーだが、他の人に先に打ってもらうべし!
フェアウェイにて
本来は、グリーンから遠い人から打つことになっているが、危険がなければ先に打ってしまおう。少しでも前進しておけば、後続の組からの評価も上々。
バンカーにて
同情されるほど打っても出ないなら、打数の上限を決めておきたいのがバンカーショット。打つ前のクラブも、この際、砂に触れてもいいことに。ゆるいルールで気楽に行こう。
グリーンにて
トップしてばかりのアプローチ。グリーン上を行ったり来たりが続くなら、最後の手段で止めてしまおう。小声で「グッジョブです」とキャディーさんからの評価も上々。
などなど、上記のようにルールにこだわり過ぎず、各自の工夫も取り入れて、焦らない、焦らされない快適ラウンドを楽しみましょう。
おわりに
高速道路の渋滞を引き起こす1位の合流、2位事故に続く3位の自然渋滞は、たった一台の車の急ブレーキが原因と言われます。
ブレーキを踏んだ車の後続車も急ブレーキ、そのまた後ろも急ブレーキ、とブレーキの連鎖が起こり、抜けてみれば何が理由だったかわからない、という渋滞を招くのです。
初心者同士のラウンドでも、渋滞を未然に防ぐため、マナーやエチケットももちろん大切ですが、急ブレーキをかけないよう、気をつけて回りたいですね。
ところで、初心者マークの車に対しての煽り運転は、違反の対象となると書きましたが、それはゴルフでも同じです。前の組が遅いからと煽ってボールを打ち込むのは、それこそ経験者としてのマナーが問われますので、ご注意あれ!