100切りを目指すゴルファーにとって、200ヤードを打つのも1打、1mのパットも1打なら、1mのパットは確実に入れたいものです。
パターは最もよく使うクラブでありながら、グリップの方法は、逆オーバーラッピング、クロスハンド、クローグリップ、プレイヤーグリップ等、ゴルファーによって様々です。
パターの形も、ピン型、マレット型、L字型等があり、これが正しいと言うのはありません。
今回はパターの打ち方に焦点を当て、ダウンブローかアッパーブローか、どちらで打つのが正しいのかを検証していきたいと思います。
パターをダウンブローで打つメリット
少しハンドファーストに構えてストロークすると、ダウンブローのパットになります。
最初にボールが浮き、少しバックスピンがかかった後、着地した勢いでオーバースピンがかかり順回転になるので、転がるボールが打てると言われています。
フォローを低く出せば、フェースに乗せる感覚で打てるので、フィーリングをつかみやすいパッティングができます。
タイガー・ウッズはこの打ち方でパッティングしています。
高麗グリーンで有効的
100切りを目指すゴルファーにとって大切なことは、グリーンがどの方向に傾斜しているのかを見分けることが大切です。
高麗グリーンの場合は、ベントグリーンに比べ芝目が強いため、順目か逆目を見ることも大切になってきます。
高麗グリーンで逆目の場合、例えば左に傾斜しているのに、左にまったく曲がらないこともしばしば経験します。
それほど芝目が強いグリーンになります。こんな場合は、ダウンブローで打つ方が強いボールが打てると言われています。
ダウンブローで打つ場合は、インパクトで左肩が上がると、方向性が悪くなるので要注意です。フォローは低く出す必要があります。
グリーンのカラーからも有効的
グリーンのカラーからの寄せは、グリーン上で打つ時と同じようには距離感を合わしづらいところがあります。
グリーン上よりも芝が長いため、思っていたよりもボールが転がらずショートしたり、芝目の影響を受けてググッと曲がってしまったりと、うまく寄らない事もよくあるケースです。
しっかり強いボールを打つ必要があるので、ダウンブローで打つ方が良いかもしれません。
しかしハンドファーストが強すぎると、着地した時のオーバースピンが、芝目の影響でかからなくなってしまうので、思ったようにボールが転がらなくなってしまいます。
アッパーブローと比べてボールが転がる
パターで大切なことは、①直進性があり順回転のボールであること。②転がりがよく、打ったボールがラインから外れにくい。③グリーン上の、でこぼこに影響を受けにくい。
主にこれら3つのことがあります。当然順回転の力強いしっかりしたボールが、転がりの良いボールになるわけです。
しっかりした強いボールを打つには、ヘッドの芯に当てなければなりません。
ダウンブローでのストロークは、しっかりした強いボールが打てるので、ヘッドの芯に当てやすく、転がりの良いボールが打てるストロークと言えます。
パターをアッパーブローで打つメリット
ボールを左目の下に置いて、真ん中に構えてストロークすると、アッパーブローになります。
最下点を過ぎてからボールが当たるので、最初から順回転になり、転がりやすいボールになると言われています。
打ち出しから左右に曲がるラインでは、アッパーブローで打つ方がラインに沿って転がせるので、距離をつかみやすいとされています。
鈴木愛プロや時松隆光プロがこの打ち方でパッティングしています。
順回転がかかりやすい
アッパーブローはヘッドがストローク中の最下点を少し過ぎたところでインパクトし、アッパーにストロークすることで、ボールを順回転させやすくなります。
そしてアドレス時の両腕とパターでできた「Y」の字をキープしたまま、左ひじを少し抜くようなイメージのフォローでヘッドを上昇させていくことでアッパーブローになります。
実際アッパーブローのイメージで打ってみると、たしかにボールに順回転がかかりやすく転がりがいいような気がします。
ただ、インパクトを安定させるのがなかなか難しく、慣れるまでは練習が必要です。
ショートパットが入りやすい
通常のパットであれば、最初の50cmは打ち出した方向に、まっすぐ転がると言われています。
1m以内のパットであれば、ど真ん中をめがけて打てば、カップインすることになるので、ラインを読む必要はまったくありません。
1m以内でちょっと傾斜しているなと思っても、自信をもってしっかり打てば、ショートパットの入る確率が一気に上がります。
打つ前に「もしかしたら入らないかも」と思って打ってしまうと、9割の確率で外れます。
それほど、ショートパットにはメンタルが影響します。大切なのは自信をもって打つことです。
さらに、アッパーブローに打てば、ボールを順回転させやすくなり、まっすぐなボールを打つことが出来ます。
距離感が出しやすい
100切りを目指すゴルファーがよくやるミスに、3パットがあります。距離感をつかめず、度々3パットをする。
これはスコアメイクに大きく影響してしまいます。距離感をつかむには、まずボールの転がりをイメージすることです。
ボールのスピードとカップまでどのように寄っていくのかを、打つ前にしっかりイメージすることが重要です。
このイメージに基づいて、カップを見ながら距離に合わせた素振りを繰り返します。イメージと素振りの感覚を重ね合わせることで、距離感をつかむ感覚が身につきます。
また、ターゲットは、カップではなく、カップを中心とした半径1mの大きな円にすることも重要です。目標を大きくとることで、方向性より距離感に集中できるからです。
ここでも、アッパーブローに打つことで、ボールを順回転させて、まっすぐなボールを打つことが出来ます。
パターはダウンブローで打つべきか?【結論:正解はありません】
パターをダウンブローで打つのか、アッパーブローで打つのかは、それぞれにメリットもありデメリットもあります。
ダウンブローでは、しっかりした強いボールが打てますが、少しでも軸がぶれると方向性に問題がでます。
アッパーブローでは、転がりやすいボールが打てますが、少しでも軸がぶれるとダフリやすくなります。
上りのパットは、アッパーブローで打ち、下りではダウンブローに打つと、使い分けしているプロゴルファーもいます。
いかなる状況でも、転がりの良いボールを打つ必要があるので、必ず芯に当てて打つことが最も重要なことになります。
特にパターは微妙で細かい精度が要求されるクラブなので、確実に芯に当たり、方向性を出せる打ち方が、本人にとって一番良い打ち方だと言えるでしょう。
まとめ
ダウンブローでパターがよくなったゴルファーは、ダウンブローを絶賛し、アッパーブローでパターがよくなったゴルファーは、アッパーブローを絶賛します。
転がりの良いボールを打つには、芯をとらえたボールを打つことが必須です。ダウンブローであれ、アッパーブローであれ、確実に芯に当てる打ち方を、自分自身で模索するしかありません。
一度決まれば、身体にしみつくまで練習して下さい。パターに自信がつけば、100切りは楽勝です。