今年最後のメジャー、全米プロ、”地味”で定評のある(?)、ジミー・ウォーカーが優勝してしまいましたね。参りました。参ったのは地味だからではありません。”メジャー勝てない君”がまた一人減ってしまったからです…。
というのもこの記事、今年のマスターズ直後から、なんと”構想4か月”のネタ(知るか!とか言わないでくださいね)。「実力抜群なのに、メジャーで勝てない面々」というお題で全米プロのあとに書くぞ~と思っていたんです。
実力があり期待されながら、不思議となかなかメジャーに勝てない選手がけっこういたんです。だからマスターズのあとに、彼と彼と彼と…なんて思い浮かべて記事の構想を練っていたんですね。ところが! その勝てない面々候補の彼と彼と彼が、立て続けにメジャーで優勝しちまったんです。
まずはご存知、ダスティン・ジョンソン。もはや”悲劇のヒーロー”の名を欲しいままにし、毎年のようにメジャーで優勝争いをしながら”メジャー勝てない君”を演じてくれていたダスティンくん。超絶飛距離の印象やゴルフ以外でのお騒がせ話題も多く、なんだか暴れん坊キャラですが、2008年のデビュー以来、毎年必ずPGAツアーで優勝している、じつは安定感抜群の堅実な選手。本当にいつメジャー優勝してもおかしくなかったんですね。
そんなダスティンくん、過去のメジャーでは、「そりゃ、どうみてもフェアウェイバンカーに見えないよねえ~」という砂地にクラブをつけて打ち、1打罰でプレーオフ進出を逃したり、350ヤード越えのドライバーを打って2オンに成功し、逆転優勝のかかった4メートルのイーグルパットを3パットしたりと、いろいろと伝説を作ってくれていました。
ところが今年、ホールアウト後1打罰のおまけつきではありましたが、全米オープンで見事に優勝。”メジャー勝てない君”の汚名を返上したわけです(でも2位との差が1打だったら伝説は続いたかも!?)。
さらにですよ、全英オープンでは、ヨーロッパツアーの”メジャー勝てない君”代表の彼が勝っちまいました。2013年にフェデックスカップ年間王者と欧州ツアー賞金王のダブルタイトルを史上初の快挙で獲得したヘンリク・ステンソン。このステンソンくんも去年のPGAプレーオフシリーズ4戦では2位、2位、10位、2位という強烈な成績でしたから、メジャー優勝は時間の問題ではありました。だから、仕方ないですかねえ。
そして、全米プロのジミーくんですよ。ダスティンやステンソンほどの実績(もしくは派手さ)はないですが、ここ4年で5勝、最近ではアメリカを代表する選手になりつつある1人でした。こちらもいつ勝ってもおかしくない、地味めの”メジャー勝てない君”だったんですが、彼もまたイってしまいました、メジャーチャンピオンの甘美な世界に。
いやあ、まさか、構想4か月、入魂の記事の主役たちがこうも次々と反旗を翻すとは…(いや、まあ、別に反旗ってことでもないんですけどね)。
でも、ですよ。大物はまだいるんです。じつは今回の本当の主役です。人気、実力はまさに文句なくメジャー級。そうです、彼です。”神の子”ですよ。みなさんの期待を決して裏切らない、まさに最後の大物。”メジャー勝てない界”のドン、セルヒオ・ガルシアです!
忘れもしません、2007年のカーヌスティ。最終日最終18番ホール、1.5メートルのパーパット。決めれば優勝だったんですが、決めることができなかった。そして最終18番ホールでハザードに2度も入れて負けゲームのはずだったパドレイク・ハリントンに、結局プレーオフの末に敗れるという勝てないぶりを披露したドン、セルヒオくん(応援してたのに…)。
今年の全英オープンも2日目に6位まで上がり、一瞬ヒヤッとしましたが、そこは”メジャー勝てない界”のドンです。それ以上、伸ばすような無粋なことはしませんでしたね(ありがとう、セルヒオ!)。
もうひとり、印象的な”メジャー勝てない君”がいます。リー・ウエストウッドです。過去にはタイガー・ウッズを抜いて、世界ランキング1位になったこともある実力者。ほとんど毎年、メジャー大会どこかでベスト10内に顔を出しますが、まあ優勝が遠いですね。今年のマスターズも2位でしたが、16番のボギーで終戦。40代半ばを迎える来年以降、チャンスはあるのかというところですねえ。
セルヒオとウエストウッドのおかげでなんとか記事も完成したので、二人には来年こそメジャータイトルを手にしてほしいですね(本気で応援してます!)。
ちなみに、われらが松山英樹プロは全米プロでメジャー自己最高位の4位。来年以降、期待がもてますね。早めにメジャー制覇してもらって、アジアの”メジャー勝てない君”にだけはならないように願ってます、ホントに。