『グリーン上にボールがオンしたら、他のプレーヤーのパッティングの邪魔にならないようにマーカーを置いてボールをピックアップする』ゴルファーなら誰もが行う当然の動作ですね。しかし『ボールの後ろにマーカーを置く』程度の認識だけで、グリーンマークのルールやマナーをはっきりと理解されている方は、あまりいらっしゃらないのではないでしょうか?
そこで今回はグリーンマークについてのルール上の表記やマナーについてご案内したいと思います。「あぁ、あれはダメだったんだ」や「こんなことまで大丈夫なんだな」など、今までなんとなく疑問に思っていたことが解決するかもしれませんよ。
グリーンマークに関するルール
ではまずグリーンマークに関するルールを確認しておきましょう。ゴルフ規則の20-1にこのような記述があります。
規則により拾い上げる球は、プレーヤーかパートナー、またはプレーヤーの認めた人が拾い上げることができる。その場合、プレーヤーはどのような規則違反についても責任がある。リプレースを要する規則により球を拾い上げる場合は、拾い上げる前にその球の位置をマークしなければならない。マークしなかったときは、プレーヤーは1打の罰を受け、その球はリプレースされなければならない。
ちょっと分かりにくいので、必要な部分だけピックアップするとマークは基本的には自分かキャディさんがすることができ、キャディさんが自分のボールをマークした場合でも、自分にルール上の責任がある。再度ボールを置く場合は必ずマークが必要で、マークをしなかった場合は、1打罰になるということです。
自分がバンカーからナイスアウトをしてボールがピン近くにオンした際などに、「ボールマークしときますね!」とキャディさんが声を掛けるのはそのためです。ちなみによく誤解されているのですが、キャディさんがマークをしてもキャディさんがリプレースする必要はありませんので、プレーヤー本人がリプレースしてください。
そして、マークそのものに関しては以下のような表現になっています。
拾い上げる球の位置は、ボールマーカー(小さなコインや同様の物を含む)を球の真後ろに置いてマークするべきである。
この部分で特徴的なのは「~するべきである」という表現を使っていることです。つまり、「~しなければならない」ではありませんので、あくまで推奨であって、強制ではないのです。これによって、実はダメだと思っていた行為もOKだということが分かります。例を挙げてご紹介しましょう。
これもOK?グリーンマークの行為
まずマークの形状ですが、現在はクリップマーカーが人気ですので、マグネット式の大きめのマーカーを利用している方も多いですね。そしてそれ以外にもこんなものまでOKです。
・フィギュアなどの立体物を取り付けた自作のマーク
・ティーペグ
・葉っぱなどのルースインペディメント
・パター
昔は短く切った毛糸をマークとして置いていたこともあったそうなので、意外とマークに関してはルールの解釈が広く、おおらかなようですね。さらにマークする位置もボールの後ろと決められているわけではなく、横や斜め横、あるいは前にマークしても違反ではありません。
これは意外に思われるかもしれませんが、例えばボール同士が近く、マークする位置が被ってしまったり、邪魔になりそうなときは横にマークすることも可能ですので、覚えておいて損はないでしょう。
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マークする際の最も大切なこと~マナーのまとめ~
思っている以上に色々なことが大丈夫だということがお分かりいただけたと思いますが、最も重視するべき点は”リプレース”すること、つまりボールがもともとあった場所に戻すということです。ボールの横にマークしたのになぜか後方に置き直したり、ボールギリギリにマークしたのに戻す時には5センチぐらい前方に置いたりするのは”リプレース”ではありません。
また、マークは本来、他のプレーヤーのプレーの妨げにならないようにボールを拾い上げる行為ですから、立体的なマークや大きすぎるマークが他のプレーヤーの邪魔に感じるようなケースでは、小さめのマークと交換するなどの配慮が必要です。規則で「~するべきである」という表現が使われていることをよく考え、しかし時と場合によっては規則違反にならない範囲で楽しんだり、活用するのが正しい使い方です。
マークの仕方ひとつでも、ゴルファーとしての行動が見られていますよ。