シニアツアーと聞いて、イメージすることは何でしょうか?「往年の名プレーヤーが出場するエキシビション的大会?」「レギュラーツアーを退いた選手たちの受け皿?」いえいえ、とんでもありません!今盛り上がっているのはシニアツアーなのです!
シニアツアーとは、50歳以上のPGA(日本プロゴルフ協会)会員で構成されるツアーですが、昨今の50代が気力・体力ともに充実していることを考えると、もう『シニア』とは呼べないかも知れませんね。好調な女子ツアーに比べ、男子のレギュラーツアーは長らく人気が低迷していると言われており、ツアー数の増加を目指しているものの、なかなか厳しい状況です。
しかしそんな中、シニアツアーはその規模を拡大しており、2014年に11試合だったPGAシニア競技は、2015年には13試合、そして2016年には17試合にまで増えているのです。どうして今、シニアツアーが熱いのでしょうか?その魅力を探ってみたいと思います。
シニア選手が魅力的!
2015年度のシニア賞金王である室田淳選手をはじめ、渡辺司、F・ミノザ、井戸木鴻樹、尾崎直道、湯原信光選手などなど…曲者だらけのシニアツアー。さらにPGA会長の倉本昌弘選手、2016年からJGTO(日本ゴルフツアー機構)会長を務める青木功選手が出場するとなれば、面白くないはずがありません。
特に男子ツアーが最盛期を迎えていた1990年代に活躍していた選手も多いので、知名度の上でも現在のツアー選手よりも高いと言えるのではないでしょうか?さらに、こうしたシニアツアー選手の特徴として、“ファンサービスもプロ”という事が挙げられると思います。ファンと触れ合ったり、会話をしたりしながら、どうしたら喜んでもらえるかを心得ているのです。
百戦錬磨の選手たちは、ファンへの対応もとても上手。現地で観戦するからこその満足感がシニアツアーの魅力です。さらに今年は、ツアー8勝を誇る鈴木亨選手や、2015年度レギュラーツアー賞金ランキング25位のプラヤド・マークセン選手など、続々シニア入りしますので、ますます楽しくなりそうな気配です。
スポンサーが新たに参入しやすい
高額な男子ツアーや、日程が過密な女子ツアーに比べ、まだまだ参入の余地があるシニアツアー。男子ツアーは1試合開催の賞金総額が1億円を超えることも多く、不況の中、大手企業でもツアー撤退を余儀なくされるケースも目立ちます。
女子ツアーは賞金総額6000万円程度から可能ですが、3月から11月までほとんど隙間なく開催されていますので、新規参入したくても条件が揃わない可能性もあります。それに比べ賞金総額2000万円程度から開催が可能なシニアツアーは、企業にとっても新規参入がしやすいと言えるでしょう。
さらに開催日程についても男子ツアー4日間、女子ツアー3日間開催がメインなのに比べ、2日間開催も可能ですので、ゴルフ場としても負担が少なくなります。このようなコンパクトな開催がスポンサー企業にも魅力的であり、不況の中でも開催数を増やす要因となっていることは間違いありません。
競技数が増えればそれだけ争いも熾烈になり、ますます盛り上がるという好循環をしているのが、現在のシニアツアーなのです。
プロとの距離が近い!
開催がコンパクトなだけに、プロとファンの距離が近いのもシニアツアーの魅力です。ティーグラウンドやグリーンなども、思いのほか近くで観戦できてしまいます。さらに選手とファンを区切るローピングも緩やかなので、至近距離でプロを見られるチャンスもいっぱい!
プロの迫力あるプレーを身近に感じられるシニアツアーは、試合会場へ足を運ぶ価値のある満足度の高いイベントなのです。
おわりに
ゴルフは年齢に関係なく楽しめるスポーツですが、プロの選手生命も長い競技です。しかし、シニアと思って侮ってはいけません。プロのショットの迫力はやっぱり凄いのです。さらにシニアならではの技も見逃せません。これからはシニアツアーにも注目してみてはいかがでしょうか?