多くのアベレージゴルファーにとってスコアアップの鍵は何といってもパッティングですね。いくら練習でショットの精度を磨いてもグリーンで3パット連発では、いつまでたってもスコアアップは望めません。平均スコアが90~100のゴルファーなら毎ホール2パット、つまり1ラウンド36パットで上がれたらかなり上出来の部類に入りますが、だいたいは1ラウンド40パットが平均だと言われています。
ショットと同様パッティングも、毎日の練習の積み重ねが上達のポイントであることは変わりません。特にパッティング練習は場所を取らず自宅でもできるので、日頃からたとえ10分でも毎日練習することを習慣づけたいですね。そしてその練習の結果を出すのがコースでのラウンドですが、多くのアベレージゴルファーはパッティングにおけるルーティンが一定しない傾向にあるようです。
ティーショットやセカンドショットをミスしたら、それを引きずらないでグリーンではパットに集中すべきですが、なかなかそうは行かないことが多いようですね。そんな時パッティングに入るルーティンを決め、それを守るようにすればミスを引きずることなく気持ちを切り替えることができます。ルーティンとはある動作を行う前に毎回決まった行動をすることで、メジャーリーガーのイチロー選手が構えに入る前、センター方向にバットを立てて静止させる動作が有名ですね。
もちろんプロゴルファーもパッティングの際は、毎回同じルーティンを行って集中力を高めていますが、決まったルーティンを行うことによってプレッシャーに強くなるという側面もあります。毎日コツコツとパッティング練習をしているのに、なかなか上達しないという方はもう一度このルーティンを見直してみてはいかがですか?そこで今回はアベレージゴルファーに有効な3つのルーティンをご紹介しましょう!
その日、気分よく打てる距離を把握する
読者の皆さんはラウンド前の練習グリーンでは、どんなことに注意しておられるでしょうか?ショートパットを中心に練習する方や、逆にロングパットの練習でグリーンの感覚をつかむなど各自工夫されていますよね。ただ、練習グリーンでのパッティングで「今日は調子がいいな…」とか「今日はしっくりこないな…」とか一喜一憂していると本番で余計なプレッシャーになってしまいますよね。プロやローハンディキャッパーの方は別として、アベレージゴルファーにとって練習グリーンで大切なポイントはただひとつ。
その日、気分よく打てる距離を把握すること!ショットと同じようにパッティングも季節や天候、そしてその日の体調によって微妙に変化するものです。そこで練習グリーンではボールを何球か用意して、カップを見ず強弱も考えずにただゆっくりと余計な力を入れずにストロークしてください。
これを続けて行くとある一定の範囲にボールが集まってきます。それがその日あなたが”気分よく打てる距離”ということになります。そこで初めて歩測して距離をある程度つかんでおきます。その日に気分よく打てる距離とは、その日の基本の距離でもあるわけですね。基本の距離さえつかんでおけば、あとは距離や傾斜に合わせて強弱をつけるだけで大きなミスは防ぎやすくなります。
朝の練習グリーンはリラックスして、ゆっくりとストロークし基本の距離をつかむ。これを意識してみましょう。いつもより安心してパッティングができるのでメンタル的にも効果的な練習ですよ。
決めるべきは方向より強弱!
皆さんはグリーンにオンしたとき、どのような順序でパッティングされているでしょうか?おそらく、まず傾斜を読み、ボールの前と後ろからラインを確認し、素振りでパットの強弱と距離感をイメージする。この順序で行っている方が大半だと思います。これは多くのプロやローハンディキャッパーも同じです。ですがアベレージゴルファーにとって、そのルーティンは本当に効果的なのかは疑問の余地がありますね。
パッティングで一番重要なポイントは距離感です。しっかりとした距離感が身についていないアベレージゴルファーにとって、正しい距離感を出すことは非常に難しいことです。
ここで朝の練習グリーンで行ったことをもう一度思い出してみてください。自分なりの基本となる距離をつかんでいると、本番のグリーンでも距離感が出しやすくなります。つまり頭でイメージするよりも、まず体に距離感を覚えこませるために効果的な練習なんですね。
では何故グリーンで最初にパットの強弱を決める必要があるのでしょうか?ストレートのラインは別にして、フックラインやスライスライン、そして傾斜の強いグリーンでは、パットの強さによって曲がり方が大きく変わってきます。つまり自分の狙ったポイントに打ち出すためには、まずパットの強弱を決めることが必要になるんですね。
強弱が決まらないと打ち出すラインが決まりません。パッティングで左右に2mも3mも外すことはあまりありませんが、上りのラインで2mショートした、下りのラインでカップを3mオーバーしたなんてことはありがちですね。パッティングでは横のラインよりも縦のラインが大事です。縦のラインとは要するに距離感ですね。
曲がりを計算するのではなく強さを決めれば曲がり方が明白になる。これはいつも心がけておきたいことです。
素振りは必ずボールの後方から!
パッティングは強弱を先に決めてから打つ方が効果的であることを、ご理解いただけましたか?その強弱を決めるとき大切なルーティンのひとつに素振りがあります。素振りをすることによって、イメージがより鮮明になり距離感が出しやすくなります。ボールの後方で素振りすることにはもうひとつ利点があります。ショットのときも同じですが、多くのゴルファーはボール横で素振りをすると、目線が右斜め前に向いてしまう傾向があります。
そしてそのままアドレスに入ると体が目標よりも、右に向いてしまうことになりますね。アドレスがズレてしまうと、思った方向にボールを打ち出すことはできません。素振りのときは頭の向きや目線が右に向かないように、素振りはボールの後方から行うようにしましょう。
まとめ
ルーティンに決まりはありません。自分なりのリズムで行うことでスムーズにパッティングができるようになります。ただ肝心なことは”毎回同じ動作をすること”です。同じ動作をすることによってメンタルが安定し集中力がアップします。
そして習慣化された動作は身体脳が強化されます。フィジカルとメンタルをベストの状態に保つためのルーティン。今回ご紹介した”3つのこと”を習慣化し、味方にすることでスコアアップを目指しましょう!