自分の声を録音で聞いた経験はありますか? 録音で聞いてみると、「え? 俺ってこんな声なの!」と、自分の耳で聞いているのとは全然ちがって聞こえますね。これは、自分の発した声が頭蓋骨を伝わり、その振動が直接耳の届いたものか、空気の振動を伝わって耳に届いたものかの違いです。
ゴルフスイングはそれ以上に、自分のイメージと現実のイメージが食い違うものです。
ゴルフのショットの中で、バンカーショットは他に比べるととても異質なものがあります。通常のショットでは、ヘッドをどれだけ正確にボールにヒットさせられるかが重要なのに、直接ボールを打たないのですから、かなり特異といえます。ですから、通常のショットとはだいぶ違うという認識を持つ必要があります。
ボールの手前の砂を打ち、その爆発力でボールを打ち出すのがバンカーショットですが、いくらボール手前の砂を叩いてもうまく出せていない人も少なくないようです。
なぜ、出ないのか? 出ない爆発になっている代表的なケースをご紹介しましょう。ゴルフにはたくさんの理論や修正法があります。どれが自分に当てはまっているのかを正確に見極めねば、的外れな練習をすることになり全く結果につながりません。
これだと「やっぱり、俺ってセンスないのかな……」というさびしさが残るだけですね(笑)。ご自分がどの“まちがっている打ち方”のパターンに当てはまるのかをきちんと分析しましょう。
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砂を多く取りすぎているケース
ホームランを怖がっているか、バンカーショットといえばとにかく手前の砂をたたくものと思い、極端なまでに手前をたたいているか(ほとんどダフりですが…)、のどちらかでしょう。
ウェッジの刃(エッジ)を砂に打ち込んでいるケース
上からたたくイメージで打つ人に多いと思います。刃の部分であるエッジから砂をたたけば、ヘッドは砂の中にもぐりこんでいきます。その方が砂を爆発させられると間違えた理解をしている人もいますが、この打ち方はクラブが砂の中にもぐっていくだけで、砂を爆発させることはできません。
ヘッドが抜けないためフォローが出ず、バンカーのアゴを超えずにボールは再びバンカーの中へ……という経験が多い人はこのケースになっていると考えられます。
砂をすくっているケース
砂を飛ばす意識が強いため、アッパー軌道になっている人に見られる現象です。ケース②との大きな違いは、フォローは大きくとっている点です。
アッパースイングで砂をすくっていくだけなので、砂の抵抗は少ないのです、しかし、抵抗が少ないということは砂を爆発させることはできていないということですね。
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正しいイメージ
砂を爆発させるには、クラブのソール(バンス)でボールの後ろをたたくように打つようにします。これだとなぜ砂が爆発するのか、物理的に理解することが大切です。
物理的に理解しよう!
お風呂やプールに入っているとき、水面を手のひらでたたいたとしましょう。「パシャーン」と水がはねますね。では次に、空手チョップで水面をたたくとしましょう。水ははねますが、水の抵抗は手のひらでたたいたときより少なくなりチョップした手は水の中にもぐっていきます。
水面の水の爆発は、手のひらでたたいときと空手チョップのときとではどちらが大きいですか? もちろん、手のひらでたたいたときの方です。
お分かりいただけるでしょうか? 面積の多いソール(バンス)で砂をたたいたときは、手のひらで水面をたたいたと同じで砂の抵抗が大きい分爆発力が増します。ところが、刃の部分エッジで砂をたたいたときは、空手チョップで水面をたたいたのと同じで砂の中に切れこむ威力は増すものの、砂を爆発させることはできません。クラブヘッドは砂の中にもぐるだけです。
声の修正はできませんが、バンカーショットのイメージ修正はこんなものです(笑)。通常ショットやアプローチではしてはいけない、バンスを思い切り使ってダフらせる! が正解!