私は中学生からゴルフをしていました。関東近郊の田舎に住んでいて、練習場まで7~8分、ゴルフ場までは15分くらい、というゴルフするにはとても環境の良い場所でした。その当時は、石川遼プロが現れる前だったので、ジュニアゴルファーはほとんどいませんでした。
私は中学時代、ゴルフのイメージはとにかくおじさんがやるスポーツだと思っていて、女の子にモテるにはバスケしかないと思い、バスケ部に所属していました。
ゴルフを始めたキッカケ
父は仕事が終わるとゴルフの練習に出かけていたので、私もバスケの練習が終わるとついて行くという日々でした。最初は、7番アイアンと3WとSWの3本を買ってもらいましたが、まだクラブの種類も少なくジュニア用が全然なかったのでレディースクラブでした。基本は、7番アイアンで練習してたまに3W…しかしうまく打てないのですぐに7番アイアンに戻して練習の繰り返しです。
まだやる気があった訳でもなく、とにかく父の練習について行く。ただ遊びで始めたゴルフが自分の人生の大事なものになることは全然予想もしていませんでした。その当時、友達が携帯電話を持ち始めた時期で、父から「1ヶ月間、素振りを毎日1時間したら携帯電話を買ってやろう」と言われ、携帯電話がどうしてもほしかった私はとにかく毎日素振りを欠かすことなく振り続けました。
そして目標達成して、携帯を買ってもらいました。これが私のゴルフを始めたキッカケです。それから練習に行くと1ヶ月間の素振りの成果が徐々に出て、練習場でもナイスショットが打てるようになってきました。
「将来はプロゴルファー」と言われている友達との出会い
そこからゴルフを上手くなりたいと思う気持ちが沸いてきて、父に「レッスンプロに一緒に教えてもらわないか?」と言われ週1でスクールに通うことにしました。そこで出会ったのが1つ年上の男の子A君でした。そのA君は、練習場でも有名な人ですでに試合など出場し、「将来はプロゴルファーになるんだよ」と言われている人でした。
年も近くてジュニアゴルファーが少なかったのですぐに仲良くなり、いつも父と練習していましたがA君と練習することがだんだん増えていきました。A君には、教わるというよりいつも勝負していました。30ヤードの籠に先に入れる勝負とか、100ヤードのグリーンのニアピン対決とかいろいろな勝負をしていましたが、一度も勝つことができませんでした。
とにかく私からすると憧れの存在で、A君が高校に行き、私もそのあとを追って高校へ入学することにしました。
毎日がゴルフゴルフゴルフ!
高校にはゴルフ部があり、週3回程度の9ホールのラウンドと練習場の繰り返しでした。学校が休みの日には、朝から練習場に行ってお昼まで球を打ち、午後からゴルフ場に行き午後スタートの最終組のお客さんがスタートするまでパッティング練習を約2時間くらいします。
パッティングは最初に距離感を合わせるためにロングパットを打ちます。次にショートパットの練習をします。時計を想像していただくとわかりやすいのですが、時計の中心がカップで1時~12時にボールを12球置き、まず50センチくらいの距離のショートパットをします。
12球連続でカップに入れることができれば、次に1メートルに距離を伸ばして成功するまでパットします。そして、15時頃からゴルフバックを担いで9ホール回り終えてから帰宅します。帰宅後も父の練習について行きその日のコースでの話をしながら練習で悪かったところを練習し、帰宅後は寝る前にストレッチをして長い1日が終わります。
ツアープロはほんの一握り
私の場合は本格的にゴルフを始めたのが高校でしたが、3歳頃からゴルフを始めている選手たちはやはり上手く、中学や高校2年頃までは試合で上位に入るほとんどの選手が幼い頃から始めています。そして、高校や大学までに試合で上位に入っていると、ツアーに推薦で出場できることがあります。
ツアーでは飛距離がとても大事になるので、飛ばせる体格の良い選手なら経験値がそれほどなくても対等に戦えるようになります。なので大学になるとトレーニングをする選手が増えてきて、そこで大きくゴルフもレベルアップしてくるのです。
今では、若いプロゴルファーがたくさん出てきていますが、小さい頃から大きなふるいにかけられ、そのふるいに残ったのが今活躍しているツアープロです。あと少しで落とされたり、才能があるのに運に見放された選手などたくさんいるので、ゴルフというスポーツがどれほど大変か感じていただきたいです。