前回、男子プロのドライビングディスタンス・ランキングから、日本ツアーの飛ばし屋を探してみましたが、今回は女子について調べてみたいと思います。実は女子ツアー(LPGA)は男子ツアー(JGTO)のように年間を通してのドライビングディスタンスの計測を行っていません。
つまり公式記録はなく、年間王者もいないのです。しかし、LPGAの主催する公式戦では、計測を行っており、参考記録として発表しています。今回はそれをもとに女子プロの飛ばし屋を見てみたいと思います。
2015 ワールドレディースチャンピオンシップ サロンパスカップより
これは2015年5月7日~10日に行われたLPGA公式戦「ワールドレディースチャンピオンシップ サロンパスカップ」・茨城ゴルフ倶楽部東コースで計測されたドライビングディスタンスの結果です。(上位抜粋)計測条件は各日9番ホールと11番ホールで計測を行い、計8回の総平均をランキングしたものになります。
結果は1位が渡邊彩香選手で、総平均266.9yd(ヤード)です。内訳を見てみると、
第1R(286yd/275yd)
第2R(289yd/281yd)
第3R(278yd/250yd)
第4R(256yd/220yd)
となっています。
特に第2Rでの289ydは驚異的な飛距離ですね。全8回の計測のうち、5回で1位を取っていますので、堂々たる総合1位です。ちなみに同大会においての最終成績は、
優勝 チョン・インジ(-12)
2位 上田桃子(-8)
3位 イ・ボミ(-4)
27T 渡邊彩香(+4)
となっています。
2015 マンシングウェアレディース東海クラシックより
「マンシングウェアレディース東海クラシック」では、1989年から毎年(※雨天中止の2012年を除く)LPGA公認のドライビング女王コンテストを開催しています。これは大会期間中の第2ラウンド終了後に行われ、持ち球2球のうち最長距離を記録します。(フェアウェイ以外は除きます)
マンシングウェア2015 女子プロドライビング女王コンテスト(2015年9月19日開催)
1位 渡邉彩香 263.6yd
2位 工藤遥加 247.7yd
3位 永峰咲希 244.0yd
ここでも2位の工藤遥加選手に15.9ydの圧倒的な差をつけ、渡邊彩香選手が1位を獲得しています。少ないデータではありますが、渡邊彩香選手が現在の日本女子ツアー界において、屈指の飛ばし屋であることは間違いないでしょう。
渡邉彩香選手とは
1993年9月19日生まれ。2012年にプロ転向。172cm、65kgの恵まれた体格を活かしたドライバーが武器。ヘッドスピードは50m/s近くにも達する。2014年「アクサレディスゴルフトーナメントin MIYAZAKI」で初優勝を挙げ、同年度賞金ランキング11位。2015年にも「ヤマハレディースオープン葛城」においてツアー2勝目を果たしている。2015年10月現在賞金ランキング6位。
ドライバーの飛距離ももちろんですが、韓国人をはじめとする外国人選手が席巻する日本女子ツアー界において、期待される若手選手です。今後ますます注目される存在になるでしょう。
さて、世界に目を向けてみて、米LPGAの選手はどのくらい飛ばすのか気になりますね。比較してみたいと思います。
米LPGA 2015年10月現在のドライビングディスタンス・ランキング
米LPGAツアーはドライビングディスタンスを計測し、ランキングを発表しています。1位のJ・クラッテン選手は、平均飛距離が274.42ydとなっています。驚愕の飛距離ですね。しかし、計測環境や条件は異なりますが、渡邊選手の飛距離は上位選手にも引けを取らない数値が出ていますので、全く歯が立たないというわけではありません。
渡邊選手に限らず、近年多くの若手選手が台頭してきていますので、レベルアップを促す意味でも是非、日本のLPGAツアーでもドライビングディスタンスのランキングを実施してほしいものです。
まとめ
女子プロの飛距離を調べてみて、「女子プロってやっぱり凄い!」というのが率直な感想です。ヘッドスピードにおいて、大差のない男性アマチュアゴルファーにとってもお手本になるのではないでしょうか。あまり、計測される機会がない日本女子ツアーですが、もっとドライビングディスタンスにも注目が集まってほしいですね。