ゴルフ場のコースは平坦ではありません。特に丘陵コースの多い日本のゴルフ場は、アップダウンが激しいコースも珍しくありません。ピンが見えない程、急な上り坂になっているミドルホールや、ボールが飛んでいるというより、ほとんど落ちているというような打ち下ろしのショートホールなどなど…
丘陵や山岳コースでは、フラットな状態でボールを打てる方が珍しいのかもしれませんね。さて、そのようにコースに高低差があるときに、どんなふうに考えますか?ホームコースであれば、経験で番手を選ぶこともできますが、あまり知らないコースの場合は、高低差を計算に入れるのはなかなか難しいものです。
距離表示そのままの番手で打ったり、なんとなく1番手あげて打ってみたりしているのではないでしょうか?ここでは、コースマネジメントを踏まえた簡単な高低差(特に上り)の考え方をご紹介したいと思います。
100ヤード以内の打ち上げ(のぼり)の場合
まず、上りの場合ですが、残り距離からまずはざっくりと判断します。男性の場合、100ヤード以内でしたら、ウェッジ~9番アイアンの距離になると思われます。そうするとボールの飛球線が高くなりますので、上りでもあまり、落下地点に差が出ません。これは、かなりの上りでも3ヤードほどの誤差です。
ですから、急激に上っているからといって、100ヤード以内で番手を闇雲にあげるのは禁物です。まずは、目の前の坂に惑わされないように注意しましょう。その上で、判断するのが、足元の傾斜です。足元が比較的フラットであれば、100ヤード以内は距離そのままの番手でいきましょう。
たいていグリーン周りが急激な坂の場合、グリーン後方からのアプローチは非常に困難なケースが多くなります。ですからグリーンオーバーよりも、ピンの手前にオンさせる方がベターです。ホールの状況を考えながら、番手を上げない決断をしてください。
自分の飛距離と判断を信じることが、成功につながりますよ。次に足元が、左足上がりの場合は(右利き)、クラブも短めに握る必要がでてきます。さらにボールの飛球線が斜めになり、落下地点がフラットの場合より早くなりますので、今度は、番手を上げる判断が必要になってきます。
この場合は、思い切って1番手、2番手を上げる決断をしてください。ちなみに女性の場合は60~80ヤード以内は上りでも番手を上げなくて大丈夫です。
100ヤード以上残距離がある打ち上げ(のぼり)の場合
残り距離が100ヤード以上の場合は、わずかな上りでも、距離の影響を受けやすくなります。特に男性でも飛距離があまり出ない方や、女性などは、130~150ヤードはユーティリティやウッドを使う場合もあるでしょう。この場合、ボールに高さがでませんので、必然的に飛距離が落ちてしまいます。(早く落下してしまう)
ですから、少しでも上りを感じたら、番手を上げる必要を検討してみてください。
多くのゴルファーは近距離の上りを過剰に警戒し、遠距離の上りに無頓着です。実際は、遠距離の上りこそ注意と、計算が必要で、近距離はそれほどおびえる必要はありません。様々な条件が重なって、飛距離が生まれますので、番手の上げ下げは個人差がありますが、上りの考え方の一つとして覚えておいてください。
打ち下ろし(くだり)の場合
打ち下ろしのショートホールなどの打ち下ろしも、それほど警戒する必要はありません。ボールはもともと落下していきますから、恐ろしいほどの打ち下ろしでも、せいぜい10ヤードほどしか飛距離は変わらないのです。周りの景色や、はるか下にあるピンを見て、なんとなく2番手も3番手も落として打たないようにしましょう。
上りでもそうですが、目の前の急な高低差に惑わされて、判断が出来なくなることがあります。そんな時にふと、冷静な気持ちで、高低差を捉えられれば、おのずと、握る番手が分かってきます。落ち着いてコースを眺める余裕を持ってみてください。
まとめ
簡単ですが、高低差に対する考え方をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?最近は、レーザーポインター(距離測定器)に高低差が表示されるものもあり、ますます便利になっています。しかし、目で見て、コースを把握して、判断する力を養うことが、結局は自分の力になります。自分のゴルフ力を高めるために、高低差を自分の感覚で、判断してみてください。