昔々獣族と鳥族が喧嘩をしていました。それを見ていたコウモリは、獣族には「僕は毛皮があるから獣だよ!」と言い、鳥族には「僕は羽があるから鳥だよ!」と言って上手く間に立って立ち回っていました。
前置きが長くなりましたがそんな小狡いコウモリのようなクラブがあります。
それは【ピッチングウェッジ】
名前はウェッジですが、役割はアプローチよりもアイアン的にフルショット使う人が多いクラブです。
ゴルフのピッチングとは?基本的な打ち方も解説します【具体的】
そんな中途半端なクラブだと思われがちなピッチングウェッジですが、実はアプローチでもフルショットでも使うことが出来る万能クラブなのです!
そこで今回はそんなコウモリクラブ、ではなく誤解されがちなピッチングウェッジがどのようなクラブであるかと、基本的な打ち方を解説させていただきます!
ピッチングウェッジとは
まずピッチングウェッジがどのようなクラブかスペック面から解説します。
※一般的なスペックを記載、実際は各メーカー、モデルによって異なります。
長さ:35.25インチ~36インチ
ロフト角:48度~42度
ライ角:63度前後
重量:450グラム前後(軽量スチールシャフト装着の場合)
となっており、簡単に言うと9番アイアンとアプローチウェッジの中間のクラブです。
余談ですがメーカーによってはPやPWという呼称ではなく10番アイアンやW(ウェッジ)と呼称される事もあり、さらにはサンドウェッジやアプローチウェッジのようにロフト角がソールに記載されている物もあります。
飛距離はどれくらいが目安?
ピッチングウェッジのフルショットした際の飛距離ですが、もちろんゴルファーの体力等で異なりますが一般的なアマチュアゴルファーの場合100ヤード~110ヤード程となり前項でも書いた通り9番アイアンの1番手下のクラブです。
余談ですが一般的に9番アイアンの飛距離の基準はドライバー飛距離の半分と言われています。
ということは9番アイアンがドライバー飛距離の半分より飛ばない方はアイアンスイングに問題があるか、使用しているアイアンが合ってない可能性があり、逆に言うと9番アイアンの倍の飛距離をドライバーで飛ばすポテンシャルがあるという事なので、飛ばない方はドライバーが合っていない可能性があります。
アプローチでも使用できる
基本的にはピッチングウェッジはアイアン的にフルショットで使用し、アプローチはサンドウェッジやアプローチウェッジを使用する方が多いのではないでしょうか?
実はピッチングウェッジはとてもアプローチに向いているクラブなのです。
アプローチの基本はピッチエンドランと言われていてピッチ(浮き球)とラン(転がり)の割合が1対1であることが望ましく、サンドウェッジやアプローチウェッジのロフトだとピッチの割合が大きくなってしまうので、ピッチングウェッジの46度前後のロフトが基本であるピッチエンドランに適しているのです。
ピッチングウェッジの基本的な打ち方とは
ここまでは実は万能クラブであるピッチングウェッジがどのようなクラブかを解説させていただきましたが、
ここからはその万能さを発揮させるための基本的な打ち方を解説させていただきます。
スタンス幅は肩幅ほど
まずゴルフに基本であるアドレスから解説します。
ドライバーやアイアンでフルショットの場合スタンス幅は肩幅より広めの方がスイングが安定しますがピッチングウェッジは肩幅より少し狭めに構えましょう。
なぜなら広いスタンス幅の場合上半身の動きが大きくなり打点が安定せず、ダフリトップのミスが出やすくなります。
前項で解説した通りピッチングウェッジはどちらかというとフルショットするアイアン的な使い方のイメージが強いのでアイアンと同じスタンスを取りがちですがコンパクトスイングを意識して狭めのスタンス幅で構えましょう。
ボール位置は体の中心より右寄り
次にグリップに関してですが、ピッチングウェッジでフルショットする場合、グリップはアイアンと同じ長さで握りましょう。
次にボール位置ですが身体の中心よりも右寄り、目安としては右かかとの延長線上くらいです。
右寄りにボールを置くことによりスイングの最下点より手前でインパクトを迎えるダウンブロー気味の軌道になりやすくなります。
ボール位置に関してはどのクラブでも体の真ん中に置くという理論もありますが、個人的にはアイアンは各番手長さやロフトなどのスペックが異なり、ボールの上がりやすさも変わってくるためクラブによって変える方法をお勧めします。
ダウンブローに打ち込む
ピッチングウェッジを打つ際にボール位置を右側に置くことによりダウンブロー軌道になりダフリやトップというミスが起こりにくくなります。
またダウンブロー軌道だとロフトが立った状態でインパクトすることが出来るので番手なりの飛距離が安定して出るようになります。
アイアンが飛ばないという方はアッパーブロー軌道気味でインパクトしている可能性があり、その場合はクラブが寝て入りインパクトロフトが増えてしまって飛距離をロスしている可能性があります!特にロフトの大きいショートアイアンやウェッジのショットはダウンブローを徹底しましょう!
初心者はピッチングでアプローチがおすすめ
ピッチングウェッジはアプローチで使用するとアプローチの基本であるピッチエンドランがやりやすいと前項で解説しましたが、今までサンドウェッジやアプローチウェッジで打ってきた方には違和感がありそのままでもいいのでは?
と思われるかもしれませんが、ピッチングウェッジとほかのウェッジではミスの許容が全然違うので、初心者ゴルファーの方にはやはりピッチングウェッジがおススメです。
サンドウェッジの方が短めだしボールが上がりやすいのでは?と思われるかもしれませんがあまりロフト角が大きすぎるとボールとフェースの芯までの距離が遠くなり打点がズレやすくなってしまうのです。
まとめ
ウェッジという名を冠していながらどちらかというとフルショットするアイアンの仲間だと思われがちなピッチングウェッジですが、今回は実は万能クラブであると解説させていただきました。
今までサンドウェッジなどでアプローチを行っていた方は最初距離感が難しいかもしれませんが確実にメリットがありますので是非コツコツ反復練習して身につけてみてください!目指せベストスコア!