ゴルフ場で、一番多いクレームってなんだと思いますか?それは、ダントツで「コース進行が遅い!」です。「なんでこんなに詰まってんだよ!」「ゴルフ場が入れすぎなんだよ!」「前の組の行動が遅すぎる!」など、キャディに言うのはもちろん、スターター室でも一番多いお客様からの言葉ですね。
そんなゴルフ場に寄せられるクレームについて、考えてみたいと思います。
トップスタートがその日の運命を決める
キャディは組数が多い日のトップスタートが嫌いです。なぜなら、その日のゴルフ場のコースの流れを決める責任があるからです。ある程度隙間なく組数が入っている場合は、トップスタートは2時間以内に上がってくる必要があります。最低でも2時間10分が限界。
これ以上時間がかかってしまうと、その日の渋滞は確定してしまいます。7~8組あとは、2時間30分、15組あとは3時間コースです。2時間15分かけてトップの組が上がってきたときの、他のキャディさんたちの冷たい目や、そのあとのお客様のクレームを考えると、ゾッとしてしまうのです。
ですから必死で、お客様を引っ張っていこうとするのですが、当のお客様は、「トップスタートは、前がいなくて気持ちがいいなぁ~」などと、のんびりしてしまうのです。車の渋滞と一緒で、一度どこかで流れが止まってしまうと、そのあとはどんどん渋滞します。
例えば、ボール探しに時間がかかってしまった場合。
その組自体はその後、待たせた後ろの組を引き離してしまえば遅れたとも思わないでしょうが、実は後ろは大渋滞になっているのです。こうした事態を招かないためにも、キャディさんは必至でお客様を誘導するのです。それなのに、「キャディが遅れてもいないのに急かした」と言われてしまうと悲しくなってしまいます。
キャディさんが急かす場合、本人たちは気づいていなくても、どこかで遅れの原因となっていることがよくあります。気分よくラウンドしたいのは、キャディも同じ。ファストプレーはゴルフの基本ですが、現在はなおざりなゴルファーが多いのも事実です。
詰まってなかなか進まずイライラするのは当然なのですが、コース進行は本当に大変なのだとご理解いただければと思います。
クレームの大半は、何かが起きた後の対応で決まる
次に多いのが、「後ろから打ちこまれた」「隣からボールが飛んできた」などのプレーのトラブルです。これは、そのボールそのものよりもボールが飛んできた後(もしくは飛んでくる最中)の対応のまずさが、すべてを決定しています。
つまり「ファー」を言ったか、打ち込んだ時に謝りに行ったのか、という事です。
キャディ付きの場合、キャディさんがその日の中で一番機敏な動きで処理してくれると思います。それだけナーバスな問題になりやすいことを、経験でわかっているからです。その時にプレーヤーも一緒に行動できればいいのですが、8割は見ているだけですね。
ボールがあらぬ方向へ飛んでしまうのは、ゴルフの場合よくあることです。ですから、自分のプレー範囲を超えて他のプレーヤーの迷惑になってしまったなと思ったら、素直に謝りに行けば大事になりません。
ゴルフ場のお客様同士のトラブルで最も多い案件です。ひどい時には、罵り合い、殴り合いになることだってありました。楽しくゴルフをしに来たのに、嫌な思いは避けたいですよね。キャディ付きでも、セルフプレーでも、ボールが他のプレーヤーの範囲へ行ってしまったら、「ファー」と謝罪はセットでしましょう。
打ち込みを甘くみていると、ひどい目に合いますよ。
終わりに
ほとんどこの2つがゴルフ場で起こるクレームとトラブルの大半です。どちらも共通するのは、周りへの心配りができているかどうかです。ゴルフ場もキャディも改善すべき点はたくさんあります。企業努力も必要でしょう。
しかし、コースをまわるプレーヤーこそがゴルフ場の主役であるのですから、プレーを楽しむ権利とともに周りへの配慮も必要です。ほんの少し、すべてのプレーヤーが周りのことも考えてプレーすれば、もっとゴルフは楽しめると思います。