「セルフが多いから、たまにキャディさんが付くと、緊張しちゃう」という方がいます。もともとキャディはサポート役ですから、それでは本末転倒なのですが、「下手だなぁ」と思われているのではないかと心配してしまうのですね。
でも、キャディから見てみるとちょっと違います。では、プレーヤーのどんな点を見ているのでしょうか?キャディの目線でお伝えします。
ゴルフバッグはゴルファーの分身
キャディは仕事の流れとして、まず自分の担当であるお客様のゴルフバッグを探します。つまり、お客様に会うよりも先にゴルフバッグと対面するのです。
この時点で、かなり色々なことが分かります。例えば、白エナメルのプロサイズのバッグで、しかもフードなしだと、「上級者?」とこちらも緊張します。
また、8.5インチサイズで、使い込んだ布製のバッグだと「どこかの年輩メンバーさんかな。」と推測します。また、1つだとはっきりしなくても、その組全員のバッグが3つ、4つ揃うとなんとなくその組の雰囲気が掴めてきます。
ネームタグにも、個性が出ます。オリジナルのオーダータグが付いていると、「ゴルフが好きなんだなぁ。」と思うので、そのこだわりをお聞きするためのネタにしたりします。
個人的にですが、ゴルフ場のメンバータグではないゴルフバッグの付属のタグに、手書きで名前が書かれていると、なんだか和んでしまいます。
このようにゴルフバッグを観察しながら、お客様を想像するのです。かなりの確率で、ゴルフバッグの印象とプレーヤーの人柄は一致します。自分はどんなゴルファーかなと思ったら、バッグを見てみてください。
スイングよりルーティーンが気になる
かっこよくスイングしようとして、力んでしまう方がいますが、キャディは打った瞬間にボールを追っていますので、スイング自体はほとんど見ていません。ボールの落ちた地点が大事であって、飛んだ距離はどうでもいいのです。
それよりも気になるのは、ボールを打つ前までのルーティンです。特に1番ホールでは、まだキャディもお客様のことが分かっていません。ですので、ボールを打つまでのルーティンである程度お客様の性格を判断します。
打つ前に、周りの人が気になって何度も仕切り直す場合、ある程度は緊張していることもあるので構いません。しかし周りをチラッと睨むようだと、「少し神経質っぽいから、気を付けよう。」と思います。
また、何度も素振りをしたり、置き直したりしてなかなか打たない方もいます。ゴルフは数人でプレーするものなので、自分だけに集中してしまい、周りが見えていない場合は、「ちょっと空気が読めない人かも」と警戒します。
逆に、仲間と楽しく話していても自分が打つ番になると、スッと集中し1回の素振りぐらいで打たれる方をみると、なんだか仕事もできそうに見えます。
ボールの打つ前までの行動は、18ホールほとんど変わりません。周りが気になる人は、いつも周りを気にしていますし、素振りを2回して、置き直して、また素振りを3回する人は18ホールそうしています。
こういった行動をキャディは見て、その日のプレーヤーへの対応に応用するのです。
プレー終了後の一言
ラウンドが終了しクラブハウスへ戻った後の最後の挨拶が、その日のお客様の印象を決定づけます。キャディも「お客様は今日一日楽しんでゴルフができたのか」はとても気になるのです。
ですので、一言「今日はありがとう」と言っていただけると、そのプレーヤーの印象がグッとアップします。もし、キャディの仕事がなっていない場合でも、キャディには「ありがとう」と言っておいて、マスター室にクレームを入れてください。
その方が大人な対応ですし、クレームを受けた場合でもそのお客様の印象が上がっているので、素直に受け止められます。
最後に
キャディは、お客様であるゴルファーを色々観察しますが、それはあくまでもその日一日を楽しくラウンドしてほしいからなのです。楽しくゴルフができればキャディ的にもOKですので、あまり気にせずゴルフを楽しんでください。