今年2月、日銀は銀行が企業に対しての貸し渋りをなくし市場にお金が出回るようにするため”マイナス金利”政策を実施しました。銀行が日銀にお金を預けるとマイナス利子、つまり預かってもらう分の手数料が発生するというものです。
一般の人が銀行に預ける分には”マイナス金利”はおこりませんが、いまや銀行にお金を預けても利子はないようなもの。ただただ銀行にお金を預けておくのではなく、”資産運用”を考える人も増えてきています。しかし、投資には元金の保証はありません。リスクの高い商品なら、大きな損失が出るかもしれません。安全に資産を運用するためにはしっかりマネジメントすることが必要です。
ゴルフでは”コースマネジメント”という言葉をよく耳にします。コースのワナにはまらないように、ホールをどう攻めるかを考えることですね。スコアづくりを目指すなら”コースマネジメント”はとても大切な要素であることはまちがいありませんが、ゴルフの楽しさはスコアばかりではないですよね。
気の置けない仲間とワイワイしながら、缶ビールをすすりつつ楽しむのもゴルフです。ドライバーを気持ちよくかっ飛ばすのにこだわるのもまたゴルフです。楽しんだ結果スコアがついてくればよし! ゴルフは大切な社交の場です。とはいえ、やはりスコアは気になるもの。スコアはそれなりに出したいですね。
“コースマネジメント”はゴルファーの技量によって異なると考えましょう。HC20のゴルファーとHC5のゴルファーでは、ドライバーの飛距離、ショットの精度は全くちがいますから同じホール戦略はできませんし、しない方がいいでしょう。
また、自分が得意とするクラブが何であるかによって”コースマネジメント”は変わります。一般アマチュアゴルファーは、”コースマネジメント”とはPARをとるためのものではなく、ワンホールでの大たたきをしないためのホール戦略である。という考え方をして安全な投資をした方がよいと思います。
実例
Aさん/HC3 Bさん/HC15
345y かなり打ちおろしのミドルホール。
左は崖OB、右は山のOB。ティから200yほどのところには、左サイドにフェアウェイバンカーがありその手前はフラットなポジション。さらに、そのバンカーの向こうは比較的フラットなライだが、ちょっと左に行けばすぐにOB。バンカーを避けてフェアウェイ中央より右を狙うと、かなり左足下がりのきついライが続く。
Aさんはドライバーでフェアウェイ中央に打ち、エッジまで35yの地点。しかし、左足下がりのきついショットが残っていました。ピン位置はバンカーから6yほどしかありません。さすがのAさんにも難しい状況です。Aさんはピンに絡ませるためにやわらかいアプローチショットを試みましたが、ダフり気味のショットをしてボールは手前のバンカーをやっと越えたところに行きました。
一方、Bさんもドライバーでティショット。
しかし、左サイドのバンカー向こうのフラットなポジションにコントロールしようと意識しすぎたスイングは当てるだけの手打ちになり、左のOB方向へ。BさんはAさんが打ったポジション、左足下がりからの40~60yアプローチショットが難しいことを知っているために左を狙ったのですが、これはティショットにかなりのプレッシャーがかかる選択だったと思います。
片手シングルのAさんはバーディーを取るために攻めました。左足下がりがキツいライからのアプローチはたいへん難しいですが、Aさんの技術ならばそのライでも打てないことはないので攻めたのです。
しかし、Bさんにとってキツい左足下がりからのアプローチショットは難しいため、Bさんはティショットで狭い左サイドを狙うという無理をしてOBを打ってしまったのです。ここでBさんに残り120~130yの打ちおろしをショートアイアンでグリーンオンさせる自信と精度があれば、ティショットを無理せず200y先のバンカー手前にレイアップすることができたでしょう。
終わりに
アマチュアは「できるだけグリーン近くに持って行きたい」という心理が働くものですが、100yショットの精度にそれなりの自信が持てるようになることで”コースマネジメント”の幅は広がります。
アベレージゴルファーの方は、PWや9Iのショット精度を上げる練習をしてみてください。上級者であれば攻めるゴルフをしても成功できる可能性のあるショットも、アベレージゴルファーには冒険ショット、とてもリスクの高い投資になってしまうことが多いのですから、自分の技量に見合った”コースマネジメント”を考えましょう。
無理な投資は危険です(笑)