皆さんが日本のゴルフ場で普通に行っていること。例えば、ゴルフ場へ到着したらキャディーさん達がキャディバッグや荷物を車から降ろしてくれて、スタートのホールへ行ったらカートに全てセットされている、というようなこと。
この、日本でのコースでは普通に行われていることをヨーロッパ人に話すと、「信じられない!」ととても驚きます。ゴルフ場に到着してからプレー終了まで、自分のことは全て自分で行うのがヨーロッパ流のゴルフ。
ゴルフリゾートへ行けば多少は勝手が異なる場合もありますが、基本はこのようなスタイル。日本とは大きく異なるヨーロッパのゴルフ事情をご紹介します。
キャディーさんなし、手引きカートが一般的
日本のようにゴルフ場専属のキャディーさんはヨーロッパのゴルフ場にはいません。もちろん電動カートもありますが、基本は各自手引き(手押し)カートを持っていて、そのまま歩きでラウンドします。高齢の方は電動の手押しカートをよく使っています。これだと少しの力で押せば良いので楽なのだそう。
日本のように、ゴルフ場に到着したところで誰も手伝ってくれる人はいませんので、自分でカートに積んで出発します。なお、カート道はないので、電動カートをかりた場合グリーン以外はフェアウェイ内を自由に入ることが出来て便利です。そして、キャディさんがいない、ということは、コースを説明してくれる人もいない、ということ。
コースのレイアウトはどうなっているのか、この見えない先はどうなっているのか、次のホールはどこか、など全て自分達で考えながら進みます。ゴルフ場によって、レイアウトの紙を最初にくれたり、スコアカードに載っていたりもしますが、全く初めてのコースは、次のホールに行くにも迷うことがあります。
気が付いたら隣のホールでプレーをしていた、なんていう人も周りにはいますし(笑)、私の場合、変だなぁと思いながらも一緒にプレーしていた人たちと歩き続けたら、知らない間に完全にゴルフ場外に出てしまい、路面電車の駅に到着したことがありました(笑)
一般道沿いにある駅に、思い切りゴルフウェア姿の女性3人がカタカタとカートを押しながら現れたものですから、駅で待っていた人たちも驚きながらも噴出しそうな表情をしているのが見え、とても恥ずかしかったです(笑)
このように色々なハプニングも楽しめるのがヨーロッパのゴルフかも知れません。また、途中に売店はないので、スタート前に飲み物や食べ物を準備する必要があります。ゴルフ場によっては小さなトラックで売り子さんが来てくれる場合もあります。
スループレーで時間を有効に使う
ヨーロッパのゴルフはスループレーのため、4時間~4時間半で終わります。そのため午前中にゴルフをして、午後からは家族と一緒の時間を作ることも出来ます。家族と一緒の時間をとても大切にするヨーロッパ人には合ったスタイル。
また、ゴルフ場での試合とディナーがセットになっている場合、ゴルフをしない家族もディナーのみ招待する、ということも良く見られます。真夏は23時を過ぎても明るいので、18時ごろからでも1ラウンドすることが出来ます。仕事の後に1ラウンドしに来る人たちも夏は多く、一日を有効に使うことが出来ます。
年会費を払ったら一年中回り放題!
これが日本と異なる一番大きな点かも知れません。私の住んでいるベルギーを初め、お隣のオランダ、フランス、ドイツ、そして海を挟んだイギリスは、少なくともこのスタイルを取り入れています。こちらには「会員権」というシステムはなく、年会費(入会金が必要なゴルフ場も有り)を払えば、追加のプレー費は一切なし!一年中回り放題になります。
年会費も日本と比べものにならないほどの良心価格です。空いているゴルフ場では、好きな時間に行って好きなようにプレーをして帰る、ということも可能なため、1番ホールから順番に18番ホールを回らず、好きなホールを自由自在にプレーしている人たちも見かけます(笑)
ちなみに一人でラウンドすることももちろん可能です。真夏の日が長い時期に、1日4ラウンドしたい!と思ったら、それも追加費用など一切かからずに可能なわけです。「今日はハーフだけにしておこう」ということも出来ますし、決まった時間にスタートしてランチを取り、18ラウンド終わらせなければならない、ということがないので、気楽に自由にゴルフを楽しむことが出来ます。
それぞれの文化での楽しみ方
このように、日本のゴルフとヨーロッパでのゴルフには様々な違いがあります。日本では当たり前のように感じるサービスがヨーロッパにはなかったり、ヨーロッパで当たり前であるシステムが日本では全く異なっていたり。
私は日本のゴルフ場では素晴らしいサービスに毎回感動し、ヨーロッパに戻ると、こちらでの完全自由なゴルフスタイルに感動します。もしヨーロッパにゴルフにいらっしゃることがあれば、ぜひ参考になさってみて下さいね。