フットサルが流行り始めた頃、手軽さがウケたのか多くの人が楽しむようになりました。色々なところで大会が行われ、”ビギナー”クラスもちゃんと用意されたり、年齢別があったりと、それぞれのレベルや条件で楽しむ事ができきました。そういうニーズが多かったのでしょうか。
では、ゴルフの場合はどうでしょうか?
誰のため?
本場のアメリカでも、ゴルフ人口の減少に苦慮しているようです。プレーフィーを下げたり時間短縮のために9ホール制を取り入れたりと、企業努力と工夫をしていますが今ひとつ打開作とまではいっていません。
と言うことは、”ニーズを捉えていない”という事になります。
ニーズはどこに?
練習場にも行ってそれなりに当たるようになりました。ネット検索でゴルフ場の情報や予約もできました。最低限のマナーもネット等で得る事はできます。ここまでの準備は完璧で、後はコースに出るだけです。ニーズはここにあります。
どんなニーズなのか?
最初なので、何でも”不安”なのです。まずは、これを取り払う事が”ニーズ”です。プレー中はもとより、ゴルフ場に着いてからスタートするまでの流れも初めてなので、何かしらの”道しるべ”が必要なのではないのでしょうか。ホテルに着いたら、中居さんが出てきてフロントまで連れて行ってくれます。立派なサービスですが、ゴルフ場でも同様のおもてなしはできないでしょうか?手間はかかりますが、初心者の一つ目の不安は解消されます。
受付が終わったら次はロッカーです。「コースに出る格好で出てきてください」と導いてあげれば、荷物を入れ準備をして出てきます。さて、次はいよいよコースです。
オリエンテーションの必要性
私が参加したフットサルの大会は、全てオリエンテーションが開催されました。大きな大会では代表者+数名が、小さい大会では参加者全員が参加しました。大小の差はありますが、必ず実施されていました。経験者もいますが、初心者や慣れていない人も多かったため、安全対策として、そして何よりも全員が楽しむためには、とても重要な取組なのです。ゴルフはどうでしょう。
フットサルに比べて、コース上のルールが多いスポーツなのに、オリエンテーションを受けた事はありません。ゴルフ場でのローカルルールもたくさんあるし、注意する事も少なくありません。全てのお客さんを対象にする必要はありませんが、少なくとも、リクエストがあったり初心者に対しては、実施する必要があると思います。あまりにも”客任せ”過ぎてはいけません。
客任せの弊害
“ハーフ2時間15分”ゴルフ場からの要望です。プレーヤーが楽しむためには、とても重要な要素です。ただし、時間目標を持たせるわけですから、それを満たすためにゴルフ場側も手助けする必要があります。初心者だから、女性が居るから遅い、とは限りません。3人でも遅かったり、4人でも早かったりします。初心者が居ても、一緒に回る人の意識によって、遅いと感じない組もいます。
“連れてきた人が面倒を見る”にしては、道中も長いしルールも少なくありません。合わせて、時間も気にしなければならいのでは、楽しめるとは思えません。それは、初心者にとっても少なからず負担になっています。連れて来た人、連れて来てもらった人、それぞれにメリットが無いと物事は継続して行きませんよね。続けて来てもらうためには、最初が肝心です。
最後に
初心者の不安を取り除く事で、ゴルフそのものを楽しむ事ができるようになります。 また、自分がルールを守る事で、他の人も同様に楽しむ事ができるようになる、という事を理解してもらう必要もあります。ゴルフ場自身が発信し伝える事で、初めてそれを理解してもらえるのです。
ゴルフ場を存続させ、ゴルフ業界が繁栄し継続していくためには、プレイヤー数の確保が重要です。と言う事は、実際にプレーする場での取り組みが、本当は一番重要なのです。プレーするために、道具を揃えたり練習するわけですから。
こんなに楽しく面白いスポーツを衰退させてはいけません。プレイヤー任せにせず、今こそゴルフ場が本当の”楽しみ方”を伝えるべきです。ゴルフ場の方こそが、最も楽しさを理解しているのですから。