同じ組で回っている力のある人や若い人がティーショットで飛ばすと、「自分だって筋力のあったころは今よりももっと…」なんて思った経験は誰しもがあるはず。
だからと言って日常的に体を鍛えるのは面倒だし、継続させるのは難しい。やはり年齢を重ねるごとに飛距離が落ちるのは仕方がないのか…。
いえいえ、そんなことはありません。もちろん力があるから飛ぶというのは間違いではありませんが、飛距離を生み出す要素はそれだけではないのです。
ポイントは”ミート率“
この”ミート率”を上げることで、今までオーバードライブをされていたライバルに追いつき追い越すことができるかもしれませんよ!
そもそも”ミート率”とは何か
ミート率とは、ヘッドスピードをどれだけ効率的にボール初速に伝えられたかを測るもので、その効率の良さを数値化したものです。
下記のような式で求めることができます。
ボール初速 ÷ ヘッドスピード = ミート率
例を挙げてみてみましょう。
ヘッドスピードが40m/sのAさんと46m/sのBさんがいます。それぞれボール初速がAさんは56m/s、Bさんは55m/sだったとします。
Aさん 56 ÷ 40 = 1.40
Bさん 55 ÷ 46 = 1.19
ヘッドスピードが6m/sも遅くても、ボール初速が速い前者のほうが、ミート率は高くなります。つまりヘッドスピードのエネルギーをロスすることなく、ボール初速に活かせている状態なのです。前者のような効率の良いスイングができれば、筋力をつけてヘッドスピードを上げなくても、飛距離が伸びる可能性があるのです。
ミート率が悪い人の特徴とは
そもそもミート率が悪いスイングとはどのようなものでしょうか。これは端的に言うと、毎回芯で打てていない状態です。ドライバーのヘッドは中心部の芯が最も反発力が大きく、そこに当たるとミート率が高くなるように設計されています。
ミート率が悪い人はスイングの再現性が低く、芯ではない部分で打ってしまっている人です。少しでも遠くに飛ばそうと力んでしまい、前傾角度がアドレスと異なった状態になったり、上体が力んでクラブの動きがスイングプレーンから外れてしまうと、芯でボールをとらえることは難しくなります。
トップで伸び上がってしまっている人や、フィニッシュでピタッと止まっていられない人は、この状態に陥っていると言えるでしょう。
ミート率を上げる練習方法
まずは芯に当てる感覚を身につけます。
ドライバーは14本の中で最も長いため、短いクラブに比べてヘッドのコントロールが難しくなります。長い箸と短い箸で小豆をつまむのは、長い箸のほうが難易度が高いのと同じです。ですので、まずはドライバーより短いショートアイアンを使った練習で芯に当てる感覚を身につけましょう。
9番アイアンを使ってティーアップしボールを打つ練習がオススメです。マットの上にボールを置いた状態で打つと多少手前からヘッドが入ってもソールが滑るため、しっかりと芯に当たったのか確認することはできませんが、ティーアップをすることできちんと芯に当たったのか見極めることができます。
この練習を行うときはフルショットではなく、腰から腰の幅のハーフスイングで行いましょう。この振り幅で芯に当たる確率が高まってきたら、次は7番アイアン、フェアウェイウッドというように少しずつ長い番手にシフトしていき、最後にドライバーでハーフスイングを行います。
ドライバーが最も難易度が高いため、最初は短く持って打っても構いません。球筋にばらつきがなく、キャリーで約100ヤードくらいをコンスタントに打てるようなれば、芯に当てる感覚が身についたといえるでしょう。
そうなればそこから少しずつ振り幅を大きくしていくだけで、ミート率の高いスイングを身につけることができるでしょう。