トーナメントでは、必ずプロに寄り添って一緒に行動している”キャディ”という存在がいます。
しかし、キャディについては、謎が多いのではないでしょうか?そこで今回はキャディにスポットを当ててみたいと思います。
トーナメントキャディ
まず、プロにつくキャディに資格はありません。家族や友人がしていることもよくあります。
しかし、現在は職業として”プロキャディ”をしている方が増え、メディアなどにも取り上げられるような人気キャディも出てきました。
華やかなトーナメントの世界で、プロをサポートするというやりがいがある反面、体力勝負で精神的にもきつく、しかも不安定な職業です。
帯同キャディ(プロキャディ)は、プロと個人的に契約を結びます。1試合ごとだったり、年間契約だったりしますが、プロとの相性次第では途中で解雇ということもあり得ます。
相場が1週間(トーナメント開催期間)10万円といわれていますが、これもあくまでも目安です。さらに予選を通過し、上位入賞すればプラスαのボーナスが加算されます。
しかし一番の問題点は、3月(男子は4月)から11月頃までしか働けないことです。それ以外の期間はプロと離れますので、それぞれが開幕まで過ごさなければならないのです。
この時期、ゴルフ場でアルバイトする方も結構いらっしゃいます。
重たいゴルフバッグ(15kg以上)を担ぎ、距離歩測や風のジャッジ、ライン読みをし、コースマネジメントのサポートをしながら、尚且つ、プロの気持ちを読み取って行動をするのは、大変な作業です。
テレビで見ていると、だんだん常連のキャディさんが分かってきます。プロとともに、キャディの動きにも注目して見てみてください。
もう一つのトーナメントキャディ
プロにつくキャディで、もう一つ”ハウスキャディ”があります。そのトーナメントを開催するゴルフ場のキャディさんです。ちなみに筆者は、これに該当していました。
キャディを帯同しない場合、プロは事前にJGTOやLPGAを通して、ゴルフ場にハウスキャディを申し込みます。
これにより、ハウスキャディの必要数が分かりますので、足りない場合は近隣のゴルフ場に応援を頼んだり、主催者側が学生キャディを用意したりします。
この場合、プロはゴルフ場をチェックアウトする際に、キャディフィーを払います。おおよそ1日1万円程度です。
プロがハウスキャディを使う理由ですが、一番はやはり金銭面で出費が抑えられるという点です。その他、そのコースをよく知っているキャディさんがいいという考えから、同じゴルフ場で何年も同じキャディさんにお願いするというプロもいます。
またある男子プロは、「男性がキャディをやっていると、試合中にイライラした時にきつく当たってしまうので、女性の方が気持ちが落ち着くんだ。」と言っていました。
さて、そんなハウスキャディですが、手当はというと基本的にいつもと変わりません。各ゴルフ場で決まった額(7,000~13,000円ぐらい)をもらいます。プロをサポートするという立場は、帯同キャディと全く変わりません。胃がキリキリと痛むような1週間なのですが、給与面ではあまり旨味はありません。
しかし、トーナメント中、プロがどう考えどう攻めるかを目の前で見られることは、キャディの経験として最高です。お金にはならない、貴重な体験が一番の報酬です。
キャディは、ルールで明記された「プレーヤーを助ける」唯一の存在です。主役であるプレーヤーが、快適にゴルフができるように”プロキャディ”も”ハウスキャディ”も頑張っているのです。キャディの存在が、あなたのゴルフの助けになれば幸いです。