さて、前回、“ラウンドしながら学ぶ人生哲学~練習編~”として、偉大な先人の名言にゴルフの練習の心得を学びました。今回はいよいよラウンド中に参考になる言葉をご紹介します。コースに出るたびに、実感するのは技術とメンタルの両方の大切さ。そして、大叩きしてしまう人とそうでない人の違いは、なんといっても”ミスショットした後のリカバリーショットがうまく打てるかどうか”につきる! と思うのですが、皆さんいかがでしょうか。
そして、リカバリー率といえば上田桃子プロです。
2015年9月27日に最終日を迎えたダンロップ女子オープンで、樋口久子プロもおっしゃっていましたが、今年の上田桃子選手は、残念ながら現時点で未だ優勝なし。それでも、賞金ランクでは第3位で日本人トップです。実は、2015年の女子プロの、リカバリー率(パーオンしないホールでパーかそれより良いスコアを獲得する率)のトップは上田桃子選手なのです。
リカバリーショットの良さが、まさに大崩れのない、安定した成績につながっていることがわかります。メンタルに効く名言で、1打に泣いても2打目で笑いましょう!
メンタル編 ~ミスしてもクヨクヨしない!~
雨を喜び、風を楽しみ。
(長嶋茂雄/1936-・元プロ野球選手)
まずは朝一番の気の持ちようから。
「I go to Tokyo」の過去形を「I go to EDO」と言ったとか、自分がゴルフに誘ったビートたけしに「今日はゴルフ?」と聞いたとか、迷言ばかり有名ですが、こんな素敵な言葉もあるのです!まるで詩人のよう。お天道様にイライラしても始まりませんね。
みずからを愉しむことのできない人は、しばしば他人を恨む。
(イソップ物語)
前の組が遅かったり、後ろからプレッシャーかけられたりして自滅する人は多い。”ミスショットは他人のせい。ナイスショットは自分の実力。”なんて言っているうちは上手くなりませんね!
不成功の99パーセントは、言い訳ばかりをする習慣をする人から生まれてくる。
(ジョージ・ワシントン・カーヴァー/1865-1943・植物学者)
います、います、言い訳する人(←ワタシ)。ちゅーピーレディースカップ2015の解説だった岡本綾子さんもおっしゃっていました。「なんでゴルフってブツブツ言っちゃうんでしょうね」と。仲間内で、今日は無言でプレーしよう!と決めたのに誰一人守れなかったと…
大きな目標があるのに、小さなことにこだわるのは愚かです。
(ヘレン・ケラー/1880-1968・教育家)
冒頭に記した通り、リカバリー率トップの上田桃子プロは、しばしば態度が話題になりますが、プレーにもクヨクヨしない強さを持っているように思います。気にするのはホールアウトした後のスコアだけ!ワンショットだけを気にしすぎないことが大切です。
概して、人は見えるものより、見えないことに思い悩むものである。
(「ジュリアス・シーザー」シェイクスピア作/16世紀の政治劇)
シャンクしたらどうしよう、池に入ったら…バンカーにはまったら…起きてもいないことに思い悩まず、この一打に集中しましょう!悩むのは、ミスした後でいいのです。
自分の力に合うことだけしろ、その他の事は、おのずと道が開けてくるまで待て。
(武者小路実篤/1885-1976・小説家)
まるでゴルファーに向けたメッセージ。やはりゴルフは人生だ。自分に対する過信・賭けは無謀な挑戦へとつながります。プロだって”我慢のゴルフ”を強いられる日があるんですから!
逃げた者はもう一度戦える。
(デモステネス/古代ギリシャ・政治家)
上記の実篤の言葉と同様、冷静さを呼びかけるのがこの名言。前向きな逃げだとか、勇気ある撤退などとよく言われます。ジョブズの「やらなかったことを誇りたい」に通じる言葉。
メンタル編 ~まとめ~
プロは、攻めるプレーでバーディーを狙わなければならない局面があります。
でもそれはプロの勝負の話。 失敗したくなければチャレンジしなければいいのだ、という言葉は、チャレンジを促す言葉です。
しかし、ゴルフでは素直に「そうですね。危ない橋は渡りません!」と従うことも大事です。
次回、“トラブル編”では、ラウンド中に陥るピンチに打ち勝つ名言をご紹介します。お楽しみに!
【参考文献】
世界の名言100
「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の言葉
スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション
徒然草
【参考サイト】