初めよければすべてよし!終わりよければすべてよし!いったいどっちが正しいんだ!!と文句をつけたくなる言葉です(笑)。
ゴルフスイングでは、始まりはバックスイング、終わりはフォロースイングです。「初めよければ……」は、バックスイングがよければ……ということになりますね。確かに、バックスイングがきれいな人は、スイング全体がきれいに見えるものですから、バックスイングを気にする方々が多くなるのも分かります。
私は以前、「バックスイングよりフォローを気にしよう!」という記事を書いたことがあります。しかし、やはり練習場ではバックスイングの形を気にする人が9割以上というのが現実です。
バックスイングで上がった手(腕)の位置を確認している人は多いものの、フィニッシュの形を確認しながら打っている人はほとんど見たことがないと述べました。フィニッシュの形をつくるという発想をしてみよう。そうすることで、トップからフィニッシュの動きを覚えることができる、と書かせていただいたのです。トップの形を気にする人がとても多いというのが現実ならば、バックスイングの基準を書いてみようと思い立ちました。数ある論理の中の基準の一つに過ぎませんが、結構シンプルな理論だと思うものを紹介いたします。
振り上げて、クルン
農具の一つである”鍬“をご存じない方はいないでしょう。鍬はどう使うものなのか? もちろん頭の上に振り上げて地面に向かって振り下ろします。その動作を繰り返して畑を耕すのですね。最も、今は機械がするのでしょうが……。鍬を振り上げる動作を、クラブを持って行ってください。アドレスの形をきちんととって、頭の上まで手を振り上げます。それをやや右にずらしましょう。程よくコックを使って振り上げられているはずです。
次に、振り上げたまま体をバックスイングターンさせてみてください。体の前傾を保ったまま、クルリと肩を90度右に回すのです。鏡を見ればわかりやすいと思いますが、トップの形としてそれなりに格好のいい形になっているのではないでしょうか(笑)。
頭の右に振り上げて、クルン。頭の右に振り上げて、クルン。
慣れたら、振り上げる動作とクルンと回る動作を同時に行ってください。もちろん、ゆっくりで結構です。そして、その動きをスマートフォンで録画しましょう。後ろから(打球線後方)がよいでしょう。すると、思っている以上に、理想的な軌道を描きながらバックスイングできていることにおどろくはずです。
剣道の上段の構えを作って体を反転させるイメージ、と記すレッスン書もあるようですね。アベレージゴルファーのバックスイングは、腕を使いすぎてしまう例がとても多いんです。腕を使いすぎると、ヘッドを地面に平行に動かしてから上へ持って行く動きになることが多くなるようですが、これはヘッドが遠回りした動きになっています。
しかし、クラブを頭の上へ振り上げる動きをすれば、腕の動きは最小限に抑えられ、理想的なスイングプレーンをたどったシンプルなテイクバックになるだけでなく、肩と腰のボディターンで打つことにもつながっていきます。あとは、トップの位置から右腕をボールに向かって押し出すだけ。その右腕の動きに肩と腰の回転が加わればいいんです。腕を横に振る動作はいけません。それだとボールにパワーは伝わりにくいですし、曲がりやすくもなります。
右腕、右肩、右腰でボールを押す!
これがうまくタイミングを合わせられるようになると、ボールに一番体重が加わり低スピンの重い球が出ます。そんなに叩いたつもりはないのに、ボールは思いのほか伸びていった、という球が出るんです。