プレー中にクラブが折れたり、壊れたりしたことはありますか?ドライバーのシャフトの根元が折れてヘッドが飛んで行ったり、林の中で打った際に、木や根っこに当たってシャフトが曲がってしまったりした悲しい経験をされた方もいるのではないでしょうか。
私が知る限り、パターはあまり壊れることはないのですが、部品が緩んだまま放置し、パッティングをした際に、パターヘッドがゴトッと落ちたのは見たことがあります。もちろんプロのトーナメントでもクラブの破損はあります。そしてプロの場合の破損はアマチュアと違い、かなり故意的要素が強いと思われます。
真剣勝負の世界ですから、(いけないことですが)グリーン上で怒りをパターに向けてしまう事も…観戦していても非常に不愉快な行動ですが、そんな行動の結果として大事なパターが折れたり、壊れてしまったりした場合、プロはどうするのでしょう。
今回は2つのケースを見てみたいと思います。
ケース1 2005年PGAツアー「ザ・ツアーチャンピオンシップ」のセルヒオ・ガルシアの場合
2005年11月3~6日に行われたPGAツアー「ザ・ツアーチャンピオンシップ」の第3ラウンド中、セルヒオ・ガルシア選手(スペイン)は、パッティングミスからゴルフバッグにパターを叩き付け、変形させてしまった。
ゴルフのルール上「通常のプレー以外のときに受けた破損の場合、以降そのパターを使ってはいけない。また取り替えることもできない」(規則4-3b)とあります。残りホールをガルシア選手は、グリーン上でウェッジを使用。無事ホールアウト。
ガルシア選手が何番ホールからパッティングでウェッジを使用したのかは確定できなかったのですが、第3ラウンドの成績は4バーディ、3ボギーの71ストロークとなっています。
ケース2 2015年PGAツアー「ザ・グリーンブライアークラシック」のロバート・ストレブの場合
2015年7月2~5日に行われたPGAツアー「ザ・グリーンブライアークラシック」の最終日、ロバート・ストレブ選手(米)は、9番ホール終了後、パターをゴルフバックの方へ投げたところ、折れて破損してしまった。その為、やはり規則4-3bに基づき、残り9ホールをパターなしで戦わなくてはならなくなりました。
優勝争いをしていたストレブ選手は、56°のウェッジを選択。残りの9ホールを32ストローク(-4)でホールアウトし、4人のプレーオフへと突入。
プレーオフはクラブの交換が認められ、パターを使用することが認められましたが、そのパターを使用する前に、プレーオフ1ホール目にD・リー選手に惜しくも破れてしまいました。
パターの代用品はウェッジが一番!?
ガルシア選手・ストレブ選手とも、ウェッジを使用したとなっています。通常グリーン上ではパター以外使ったことがない方がほとんどでしょうから、「何で代用する?」などと考えたこともないと思います。プロについても同様だと思いますが、2人のプロが緊急時にウェッジを選択したのは、
1.クラブのフェース面ではなく、リーディングエッジ(刃)を使って、パッティングするから。
2.シャフトの長さがパターに近く、違和感が少ないから。
という点だと思われます。なんとなくプロゴルファー猿のようにドライバーや、もしくはロフト角の小さいロングアイアンを想像してしまっていた筆者はまだまだ未熟でした。
終わりに
2つのケースを見てみましたが、どちらもウェッジを使用し、しかもスコアに影響が出ていない(バーディまで取っている)のは驚きですね。さすがプロと言いたいところですが、本来あってはならないことですので、差し控えたいと思います。特にガルシア選手は常習犯ですから、要注意ですね。
もしプレー中にパターが破損したら、あなたはどのクラブでパッティングをしますか?