ゴルフ雑学

グリーンの上の”3つのライン”と”消されたライン”とは?

パットイズマネー

その言い得て妙なところと耳触りの良さで、しばしば話題にのぼるこの言葉。1ヤードにも満たないパットを外して数百万の権利を失うプロを見ていると、いかにパターが重要かと思わされます。

アマチュアの場合は、1打のミスパットよりティーショットのOBの方が確実にスコアを崩すきっかけになる場合が多いのでしょうが、短いパットを外した時のショックたるや、OBを出した時と同等かそれ以上。スコアが悪くても、長いパットをねじ込んで上がることができれば、気分は悪くありません。

ところで、グリーン上では3つのラインが存在することをご存知ですか?

一つ目はすぐ思いつくあれです、グリーン上のボールの転がりを見る”読むライン“のこと。しかし今回はこの読むライン以外の、”書くライン“と”書かれたライン“という2つのラインに加え、”消されたライン“にまで、スポットを当ててみたいと思います。
パッティング上達のためにも、改めて再確認をしてみましょう。

書くライン

LPGAツアーの解説で、樋口久子プロが「あの線、どう? 森口さん。私は引かない。合わせるのに余計時間がかかりそうで(笑)」と言い、森口祐子プロも「そうですねぇ私も引かないです」と同意しているシーンがありました。そう、ボールに書いたターゲットラインの事です。

ゴルフ中継を観ていると、縦に横にと丁寧にラインを書きこんだボールを、グリーン上でピンに向けて丁寧にセッティングしている選手の姿を目にします。樋口久子プロは、読んだラインに、ボールのラインを合わせてセットすることに、神経質になり過ぎるのも良くない、と言っているようでした。

もし、読んだラインに丁寧にボールのターゲットラインを合わせてセットしたならば、その読みを信じ抜かねばなりません。構えた瞬間に足元の傾斜がふと気になり、打つ瞬間にちょっと方向を変えてしまうなんてこと、まさかしてないですよね?
ボールは打ち出す場所の傾斜より、速度が落ちたピン近くの傾斜に、より影響を受けやすいのです。ラインを読んだら自分を信じて打ちましょう。いわゆる”パットはパッと”です。

そういえば、ボールは重心がずれている場合があって、すべての方向にまっすぐ転がるわけではないとか!? まっすぐ転がる軸を探してくれる商品があります。知る人ぞ知る「チェックーゴーPRO(株式会社ブロッサム)」です。
もしターゲットラインに徹底的にこだわるのであれば、そこまで試してみてはどうでしょう?

書かれたライン

パターの話題に移りましょう。パターにはピン型、マレット型、ネオマレット型などがあり種類も豊富です。ショップでの試し打ちで「3連続カップインしたから」という理由で購入している人は相当多いでしょうし、ポチャした池やグリーン上からボールが拾いやすいから、と”牙みたいな形の”にしたという人も。ボールじゃなくてパーを拾うことを考えようよと、グリーンの種類に合わせてパターを使い分ける、上級者の方もいらっしゃるでしょう。

皆さんご存知のように、マレット型は、mallet(木槌)を打ち込むように直線的なテイクバックに向いているパター。一方ピン型は、弧を描くように開いて閉じる感覚で、とよく言われます。

パッティングの際、目はいくつものラインを見つめます。読んだライン、自分でボールに書いたターゲットライン、そしてパターにもともと書かれたラインです。皆さんはパッティングの際、ボールやパターのラインにイメージが引っ張られ、まっすぐ引かないといけない、という意識が働き、手に力が入ってしまうのを感じたことがありませんか?

カップにボールを入れるのが目的なのに、まっすぐ引くことが目的になってしまうなんて、これでは本末転倒です。

消されたライン

本末転倒をさけるべく、パターに書かれたラインを消した選手がいます。ランキング上位に名を連ねる選手の中で、ドライバー飛距離の話題性に比して、パットが今ひとつだったバッバ・ワトソン。
パターに書かれた直線のイメージに引っ張られることを嫌い、ラインを消したのは2015年の事。パターのラインをドットに変えたことはあまり知られていません。

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そもそもパターに書かれているラインは、”ボールの芯にパターを合わせる目安”という位置付けのはず。しかし、テイクバックにも影響を及ぼしかねません。感覚重視のバッバ・ワトソンにはドットのほうが合っていたようです。マスターズで初優勝した2012年の平均パット数は156位でしたが、その後、50位前後に上げる年が続き、成果があったと見ていいのではないでしょうか。

ラインからドット、PROV1xからボルビックへと新しいものを取り入れるバッバ・ワトソンの活躍を期待したいところです。

最後に

“パットイズマネー”の元ネタは、南アフリカ出身のパットの名手ボビー・ロックの「Drive for show, putt for dough」だとか。ゴルフ好きの皆さんの中には、既知の方も多いでしょうが、このボビー・ロックのライン読みのコツをご紹介して終わります。

「あまり狙いすぎないことだ。直感で決めたラインを大切に、大体の方向に打てばよろしい。案外真っ直ぐなラインが多いものだ」

さあ次のラウンドは、この名言を頭の片隅において、グリーン上のプレーを楽しんでください。

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