秋です。ゴルフシーズンの到来です。
本格シーズンだからといって、ラウンド前にガツガツと練習していませんか?
それも本棚に眠っていたレッスン書を持ち出してきたり、本屋で目についたゴルフ雑誌を買ったりして、普段やっていないことにチャレンジしようとする。そんでもって、ブンブン振り回して、打ち放題で何百球も打ち込む。そんなラウンド前の練習は、じつはデンジャラスなんです。
とはいうものの、ラウンド前に練習しないと不安という人、いますよねえ。なにを隠そう、へたれゴルファーのわたくしも、そのタイプ(でした)。
一緒に行く人に負けたくないとか、少しでもいいところを見せたいとか、とにかくいいスコアを出したいとか、あらゆる煩悩が大放出。レッスン書や雑誌を片手にいろいろ試して、あげくにスイングに変な癖をつけたり、以前からの迷いが余計に深くなったり。とにかく、ラウンド前の何百球もの固め打ちは、結局、スコアダウンのための固め打ちでしかない(”悪い癖固め”ともいいます…)。肝心のラウンド前ですでに撃沈状態なんです。
英国ではこんなことを言うそうです。
「ゴルフ書の災い」(The curse of golf book)
レッスン書を読み過ぎて、アレコレ考えて、いろいろ試して、何を守って練習したらいいのかわからなくなって、深くて暗い迷い道に入り込んでしまう状態のことらしいんです。さすがゴルフ発祥の国(諸説ありますが)の深いお言葉。世界中のアマチュアゴルファーがおちいる練習のワナを見事に言い当ててくれています。
「池田勇太のスイングから学ぶ フェースを閉じ気味に上げ…」とか、「石川遼の寄せをマスターする フォローで手元は…」とか、本当に上手くなっちゃう~?なんて、夢と希望と期待をあおるようなタイトルが多いですが、書いてあることがすぐにできればプロになっていますよって話。それこそ迷い道への第一歩ですよね(とくにラウンド前は危険度大!)。
わたくしもそれで何度泣きを見たことか。ドライバーのスイング軌道が狂い、アイアンは持ち球と逆にフックしはじめ、アプローチでダフりまくる。みなさんも、そんな経験ありますよね(きっと、ね!)。アマチュアのスキルで直前にチョコチョコ練習やってもうまくいきっこないんです(たぶん)。
そんな折、わたくし、友人のシングルゴルファーに尋ねたことがあります。彼曰く、ラウンド前の練習はボール一箱で、自分のスイングのリズム確認だそうです。アレコレいじくることはしないと。そうはいってもそれは上手いからでしょと思ったのですが、上手い下手は関係なく、スイングのリズムが崩れると途端にシングルでもスコアに影響が出るとのこと(下手ならなおさらですよねえ)。
“金言”でお世話になっている中部銀次郎先生もおっしゃっています。「日本アマなどに出るレベルの人は試合直前には打ち込まない」と。どうしても練習したいなら、バックスイングで自然に右に乗り、インパクトのあと伸び伸び左に乗っていく、そんなリラックスした姿を思い描いて、”ゆっくりゆったりスイング”してみることだとも助言してくれています。
すると、ごく自然にスイング軸がしっかりする。身体と腕の一体感が大事なんだとか。結果として、良いイメージでラウンドにのぞむことができるんですね。災い多きラウンド前練習で、いろいろいじくりすぎて、すっちゃかめっちゃかになって、悪いイメージを作って眠れなくて、眠い目をこすりながらコースに行って、今度はボールを散々こすっちゃって、まともにまっすぐ飛ばなくて……そんな悲しい目に合わなくてすむのが、”ゆっくりゆったりスイング”での調整なんですね。
ゴルフシーズン到来だからといって、意気込んで打ち込むのではなく、”ゆっくりゆったりスイング”で良いイメージ作りをして、スコアアップを目指しましょう!