ゴルフのルールって複雑ですよね。ルールを完璧に理解してプレーしているゴルファーの方は、そう多くはないのではないでしょうか?プライベートラウンド中にトラブルが発生しても、誰もどのように処置したらよいのかが分からず、あいまいなままプレーを続行してしまうことはよくあることです。
そしてその時は「ルールをもっと勉強しておこう」と考えていても、結局そのまま正しいルールが分からないままになってしまう事も…。いつかゴルフのルールに詳しくなって、同伴者に教えてあげられるようになりたいものですね。
さて、そんなゴルフの基本となるルールは、『ゴルフ規則』にまとめられているのですが、この内容が4年に1度改訂されているのをご存知でしょうか?
『ゴルフ規則』は、世界統一の正式なルールブックとして発行されているのですが、現在のゴルフ事情や変化に対応して、4年に1度改訂が行われているのです。2016年はちょうどその年にあたり、1月1日からその内容が施行されています。
今回はその2016年度から施工された変更点を少しだけご紹介したいと思います。もしかしたらあなたのルールの記憶は、古くなってしまっているかもしれませんよ。
“アドレスしたあとで動いた球”も問題なし!
プロのトーナメントで使用されているグリーンは非常に固く速いので、わずかな風でボールが転がってしまう事があります。プロがパッティングをする際に、風が吹きそうになると、アドレスをとるのを止めてしまうような場面を見たことはないでしょうか?
これは今までのルールで、『アドレスしたあとで球が動いた場合、プレーヤーがその球を動かしたものとみなされ、プレーヤーは1打の罰を受け、その球をリプレースしなければならない(ゴルフ規則18-2b)』だったからです。
しかし、これは特に前述のようなタイトなセッティングのグリーンでは、プレーヤーの過失でなくても起こり得る事態でしたので、非常に悩ましいルールでした。そこで今回の規則改訂により、その項目が削除されたのです。
これにより”アドレスしたあと”であるかは関係なく、”止まっている球が動かされた場合”は、プレーヤーやキャディ、携帯品などのプレーヤーに関係している人や物が動かす原因を作った場合は、これまで通り1打罰を受けてリプレースしなければなりませんが、過失がない場合はプレーヤーに罰はなく、新たな位置(動いて止まった箇所)からそのままプレーすることができるようになったのです。
※他の理由を伴う場合は、規定によりリプレース等の処置が取られることもあります。このようにプレーヤーの不利にならないような改訂は、とても良いですよね。
改訂を知らないとルール違反になってしまうことも
しかし、こうした規則の改訂を知らないままでいると、ルール違反を犯してしまう恐れがあります。
今までのルールでは、”アドレスしたあとで動いた球”は理由に関わらず1打罰を受け、リプレースしなければなりませんでしたので、もしその旧ルールに則って、ボールが動いた時にリプレースをしてしまうと、プレーヤー自身が”球を動かした”ことになってしまうのです。
つまり、せっかくノーペナルティだったボールをわざわざ動かしてしまう事で、ペナルティが課せられてしまうという不運が起きる可能性が生じるという事です。ルールに則って真摯に行動したつもりが、ルール違反になってしまうかも知れません。プロでさえも今までの意識が働いて、とっさにボールを戻してしまう事もあり得るのです。
プレーヤーの為に改訂された規則で、自分の首を絞めてしまわないように注意しましょう。
おわりに
このように少しずつゴルフのルールも変わってきています。他の変更点についてもまたご紹介したいと思いますが、ルールを知っていて損はひとつもありませんので、ゴルフのランクアップのためにもぜひ覚えてみてはいかがでしょうか?